24-5 開発②
空港という事で、最初に一番面積を必要とする離着陸する場を作ったけど、他の施設も設置する。
空港職員が働く事務棟、空の旅で疲弊した人たちが休む休憩所とこれから空に行く人が待つための待機所、飛行船に補給をするための燃料の倉庫。
出入りする人の確認をする為には、税関みたいな場所も作った方がいいかな?
「創様。そう言えば、飛行船って、ちゃんとここまで来れるんですかね? 空の上で、迷子になりませんか?」
「それもあった。レーダーマップが無いから、そういう危険もあったな」
飛行船を誘導するための灯台も、各地に作らないと駄目だな。
この空港に作るのは当たり前だけど、それ以外の場所にも誘導用、空路の確定用に灯台を設置しないと、変な事故が起きそうだ。
飛行船はジャンボジェットみたいに高度1万mとか高い所を飛ぶわけじゃないからね。山に引っ掛かったら大惨事だ。
あれ? 霧が出ていたりして視界が利かない状況だと、灯台が見えないとかで、かなり拙い?
飛行船の運航は、雨天順延にするしかないかな。
いや、でも、長距離移動だと途中から雨に変わる事も有り得るよな……。
まぁ、空路や運航に関してはあとで協議すればいいか。
それよりも今は、雨の日でも遠くから確認しやすい灯台を目指すよ。
遠くから確認しやすいというだけなら、別に空からじゃなくても問題無いからね。
いい感じのライトなら、カードで作れるからね。気楽なものだよ。
あとは、今ある村と空港を繋ぐ道路の整備かな。
そこまでやってしまえばなんとかなるんだけど。
「水平、出てないよー!! やり直し!!」
「水回り、穴堀を先にやらないと! もー、二度手間じゃん!」
「その資材はこっちの灯台用っつてんだろーが! 勝手に使うんじゃねぇ! ぶっ殺すぞ!!」
人を多く入れたら、喧嘩がいたる所で起きてしまった。
人と資材はこちらで用意したけど、一枚噛みたい人が手伝いを申し出たので、簡単な作業に限定して手伝わせたら……足を思いっきり引っ張られてしまったよ。
仕事が雑で、やり直しが多数。必要な手順が省略される。
荷物運びも、周囲の確認が疎かであれば人にぶつかったりするし、そもそも運ぶものを間違えたり運ぶ先を間違えたりする。
作業手順の説明をしたにも関わらず、「先にこっちをやっておこう」と勝手な判断をする。
素人にしても、これは酷い。
妨害工作の類いかと思ったよ。
「はい。よその勢力が潜り込んだようですね。
こいつらは、わざと失敗をして、現場を混乱させてから色々と盗む気でいたようです」
「尾張ではなく伊勢の方から来た連中だったわけか」
「尾張の者でしたら、もっとまともに働けますよ。船持ちであのような役立たずはおりません。
余計な問題を起こさぬためにも、人が要るようでしたら、我々に声をかけて集めた者だけにして下さい」
「それが無難か」
そして本当に妨害工作だった。
伊勢の一部に巣くう、ならず者の仲間だった。
盗みを働いたので全員捕まえて尾張の警察に引き渡したら、それが判明した。
二度と悪さができないようにするということなので、あとは任せよう。
やっぱり、先制攻撃で潰すかな?