表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
600/729

23-26 ガソリン復活③

 何か、あんまり関わるどころか考えたくもない連中が近場に居て、そいつらをチンピラとしていいように使っている国があると判明した。

 損切りとして多少被害が出ていいからと殲滅したいとは思うものの、その為の被害を自分の代で出したくない国主達の保身により、強攻策は採られていないという。


 実際、トータルで見れば早めにそういった下衆を殲滅する方が利益が出る。

 一時的にはかなりの損が出るだろうが、継続的に被害が出るよりはマシである。

 しかし、それでも踏ん切りが付かず、次の代の誰かに任せてしまいたいと思うのも人情なのだ。そして今に至り、放置というか、場当たり的な対処のままだという。



 それなら、試し切りというか、うちの軍の連中を派遣してもいいかもね。

 実戦を経験できるなら、できる時にしておいたほうがいいだろうし。


 こっそりと、やってしまうか。

 通常の外交ルートは使えないので情報を集めるのにも一苦労だけど、こちらに手出ししてくるようなら、ガチで消しておこう。





 厄介なご近所さんの話は、今回の本題では無い。

 大事なのは、ガソリンを作れる木の話である。


 今回協力を約束してくれた国の人達に、2種類の木の苗を100セットずつ渡した。

 そしてこのガソリンの元になる2つの植物に適した環境、育てかたと、その後の採取の仕方などを説明していく。


 基本、苗木の段階ですぐに成果が出るという事は無いが、一回根付いてくれれば少しは採取ができるから、あとは自前でどうにかできるようになるだろう。たぶん半年ぐらいかね?

 そうやって自分たちだけで生産していけるようになるまでは、ここにそれぞれの国の研究者を招き、エンジンなどの研究をしてもらう。

 こちらからは必要なガソリンの支給はするけど、それ以外は関わらないつもりだ。好きな研究をして欲しい。


 こちらから出せる専用の鍛冶師はすでに用意したので、その拡充には他所の国から人を送り込んでもらおう。

 土地については応相談、人員の選別は相手に任せるし、こちらはそれを信用させてもらうよ。



 念のため、スパイ対策に、外とのやりとりは俺の所で一括管理させてもらう。

 こちらに来た外の人員が、独自の方法で外とやりとりすることは禁止する。

 村に来る人との接触も、基本的には無しだ。

 買い物は売店を設置するし、要望があれがご意見箱にでも書いてもらう。無茶なことを言われなければ、そこそこに配慮するよ。


 あんまり無茶苦茶を言うようであれば、ケツを蹴って追い出すけどね。



 こちらからは浅野さん中心に行なわれた各国との調整は、利益の配分などは特に問題視されず、どこがどれだけ出資していいか(・・・・・・・)という、制限の為の話し合いと、防諜に関する細かいルール決めが主だったようだ。


 貢献のバラツキが今後の問題となり得るから、どこまで出資していい、どれだけ人を出していい、そんな話になったことが一つ。それにより研究に使うガソリンの量に差が出ないよう配慮して欲しいと言うことで二つ。そんな話と。

 他所に下手な情報漏れを起こさないようにするにはどう言う体制が望ましいかを考えるのとで、かなり揉めた模様。


 俺はあとから報告を聞いただけで済んだから、特に苦労したという感覚は無いけど。

 そのかわり、所属を問わず、関係者には差し入れをしておいたよ。




 最後に、わりとどうでもいい話。

 取引におけるガソリンは、一般的には「ガロン()」という単位で計算する。

 しかし、この単位系はアメリカさんのご意向というだけで、俺にとっては馴染みのない話である。


 なので、「ガロン」についてはそのまま退場してもらい、リットルだけで計量することにした。

 ヤードもフィートもポンドも要らないんだよ。この世界には。

 伝統なんて知らん。俺のような人間にしてみれば、普段使いのリットルなどで統一してくれた方が、分かりやすくていいのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ