23-21 航空機③
エンジニアを追加し、その手伝いも用意した。
飛行機など、作るのに何年かかるだろうし、そこはもう、気長に考える。
レシプロ系なら意外と早く開発できるだろうけど、ジェットエンジン搭載の飛行機ができるのは俺が生きている間は無理のはず。
多少は俺の知識で短縮できるはずだけど、モンスターという要素がどんな形で邪魔をしてくるか分からない。
そうだよ。空を飛ぶタイプのモンスター、いても不思議じゃないんだよね。あんまり考えたくないなぁ。
そんなことを考えていたら、エンジニアたちは俺の予想とは違った事を始めていた。
彼らは、飛行機の前に飛行船を作りだしたのだ。
1週間ほどすると、彼らはなぜか外でアルミフレームを組み始めていた。
「こっちの方が、すぐに形にできるので!」
説明を求めた俺に、エンジニアらは飛行船の気球部分を組み立てていると言い出した。
まずは空を飛ぶ事、それを優先した場合、何が最短かを考慮した結果がこれらしい。
「熱気球で浮くだけなら、『コンテニュティティ・ファイア』で楽にできるので! どうせですから、船に使われるエンジンを載せた飛行船にしようという結論に至ったのですよ!
もちろん、飛行機も研究していますが、まだ小型の模型の段階ですな!!」
なかなかうるさい作業場なので、距離が離れていなくても、お互い大声で会話をする。
騒音対策に作業場を木で囲うようになっているし、村からは少し離れているので、作業場がうるさくてもそこまで問題にはならないだろう。
だけど、作業をしている連中が難聴にならないか、心配になる。
騒音の中で仕事をすると、どうしても耳が悪くなるからな。健康診断とか、始めた方がいいかもしれない。
飛行船は、早ければ一月ほどで完成するらしい。
「気球による浮力と運搬能力、気球表面積による風の影響、推進機の推力! それと、緊急時の脱出手段も必要です!
やって調べてみるべきことが多すぎて楽しいですよ!」
物が出来上がることと、物が実用化できることはまったく違う。
うまくいけば二ヶ月かそこらで実用化できるらしいが、その後の安全性も含め、まだ検討することは多いと楽しそうに言う。
試験飛行の時は安全を最優先で考えるけど。
こいつら、放っておくと、危険を無視して突っ走りかねない危うさがある。
仕事を楽しむのはいいけど、やるべきこと、守るべきことを忘れないよう、監督をつけた方がいいかな?
なんか、怖いんだよね。