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23-1 甲鉄艦

 各地に隠れ里を作る構想。

 美濃の国にも、前にエルフたちがキャンプをしていた所そのままだとすぐバレるだろうから、その少し離れた人目に付きにくい場所に小さな村を作った。


 近い分、俺が簡単に手を入れられるので、本当にすぐに村ができた。

 遠くだと、家を作るにも一苦労だから。

 今度、隠れ里を作っている所にフォローをしに行こうかな。旅行のついでだ。



 そう。

 ちょっとした旅行という事で、中陸奥の国まで足を延ばそうかと考えている。


 と言うのも、甲鉄艦が完成しているからだ。

 中陸奥の国が威信をかけて造った甲鉄艦が、北海道方面までの航海を成功させたという。

 その成功をもって二号船を作るなどといった計画すらある。


 甲鉄艦は装甲艦ともいうが、船体を鉄や鋼で包んだ船だ。

 言葉の本来の意味から言えば、軍艦をさすのだけど、他に適当な言葉もないし、こう呼ばれている。


 一応、建造目的は交易・輸送となる。

 海にいるモンスターにやられないための金属装甲でもあるので、軍艦扱いでもそこまで間違っていないかもしれない。



 この話を最初に聞いてから2年程経っているが、今頃こんな話をしているのは、船の外観はともかく中身に思った以上の時間がかかったからだ。

 推進機まわりがなかなか上手くいかず、沈みこそしなかったのだが、まともに前に進まなかった、らしい。


 俺はこの件に一切かかわっていないので、あちらから相談を受けたとかそういった話は無い。知っているのはニノマエが聞き出した情報だけである。



 苦労話はともかく、一回成功したのだからその成功例を基に、甲鉄艦二号船を建造していく。

 そうなると製鉄関連の黒岩の里はその重要度を増し、これまで以上に鉄を作る事になる。

 俺の派遣したスミスたちがどこからともなく鉱石を探し当ててくるのでまだ破綻していないが、近場の採掘場はすぐに枯渇するんじゃないか?

 いや、鉄鉱石は地球上でもっとも手に入りやすい鉱石なんだけどさ。


 あと、鉄の生産量を維持するために周囲から鉱石を運び込むと、国のお偉いさんと鍛冶師だけが知っている隠れ里的な存在ではなくなるな。

 何と言うか、そのうち温泉と鉄鋼業の町として作り変えられないか?


 正直、それが不安である。

 それが嫌だから、技術を教えているって面もあるんだがなぁ。





 とりあえず、状況がまた変わっているので、一回、黒岩の里まで行ってみようと思う。

 不安の方が大きいけど、いざとなれば仙台市付近にこちらで炉を設置し、そっちで頑張ってもらえばいい。


 鉄が欲しいのは分かるが、俺の隠れ里を巻き込まないで欲しいものだ。

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