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22-17 灰より生まれる②

 灰から作る。

 ある意味、俺が研究しているような内容だ。

 作る者は美味しいものではなく、回復・蘇生に関するものだが、それでもヒントにはなる。


 今まで作った灰を使い、何かを作る。

 その何かを再び灰にして、もう一度カード化すれば、閉じた道も開けるのではないか?

 もしくは、進化の先が閉じている灰でも、アイテムとして使う事で道が開けるかもしれない。

 輪廻転生に近いサイクルを作れば、その流れをカードも汲んでくれるかもしれない。


 モンスターは経験により成長する。それはカードのレベルに現れない、純然たる成長だ。

 アイテムだって、そんな成長を求めているのかもしれない。


 “かもしれない”ばかりだが、可能性があるのなら、試していない試みであるのなら、やってみる価値はあるだろう。





「えー。種芋で増やすの?」

「俺はジャガイモを種で殖やしていたことにビックリだよ」


 俺は莉奈のところで育てている、新種のジャガイモの地上部分が廃棄されているだろうと思い、それを貰いに行った。

 しかし莉奈は芋部分を収穫したあとも残りをそのままにしており、捨てる部分がなかった。


「品種改良をするなら、種からだよ?

 種芋だと、同じ子ができちゃうもん」

「あ。言われてみれば、その通りだったな」


 そして以前に収穫した分、品種改良前のものに関しては、灰にして土壌の一部になっている。

 俺がやろうとしていることを先取りしているかのような対応に、手間が減ったと喜んでおこう。

 土壌になっている灰の一部を回収し、俺は研究の続きをすることにした。



 他にも、灰を肥料に育てる植物を増やし、そこから新しい灰を作るよう、段取りをしておく。

 莉奈のジャガイモ畑もいいが、それ以外にも入手手段を作るべきだろう。

 あれは理想のようであるが、理想的すぎて現実味が薄いというか、ピーキー過ぎる気もするし。

 普通の植物で試すなら、肥料として少し使う程度が妥当だろう。


 あとは灰の利用ということで囲炉裏を作り、自分でも灰を使うようにする。

 火の管理は大変だが、だからこそやる意味がある。

 何年もかけて灰を精錬するようなイメージだが、コツコツと頑張ろう。



 ああ、そうだ。

 莉奈のジャガイモは他にも渡しておこう。

 灰の廃棄法方に悩む都市部なら、俺たち以上に助かるだろうし、美味いものが増えるのはいいことだ。


 あと、美肌鶏を増やしているせいか、美濃の国全体で穀物が微妙に値上がり傾向だからな。多少のフォローはしてもいいだろう。

 こういった内政面のフォローなら、どこも今さら俺に手出しもしてこないからな。


 外交担当の浅野さんは大変かもしれないが、お任せなので気楽なものだよ。

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