22-10 異世界式ゴミ問題①
生産をすると、どうしても廃棄物が出てくる。
燃やせる物は基本的に燃やし、少量であればそのまま捨てたりもする。
こういった事をすると現代日本の人は怒りそうだけど、プラスチックなどは使っていないし、人口が少ないのであれば、それが問題になることなどあまりない。
捨てたところで自然に還ってお終いだ。
ただ、大量に発生するゴミに関してはそうも言えず、村の方では細かい取り決めなどもしているよ。
実際、灰なんかをまとめて捨てたりすると、土壌に大きな影響が出るからね。
こちらに来た当初、灰は肥料になるから良いだろうと思っていたら、植物がなかなか育たない土地を作ってしまったこともあるんだ。
肥料に関しては土を酸性にするとかアルカリ性にするとか、それをいつするのだとか、細かい専門知識が求められる。
だから農業の素人である俺は、基本的に口を挟まないよ。
発生した灰に関しては、農業的に影響を及ぼさないエリアに捨てるとか、適度に肥料として使うとか、そういった対応だ。
一回石鹸に使えないかなと思ったが、出来た物は質が悪い以前だったので、もうやってないかな。
そもそも、もう一つの材料である植物油とか動物の脂の用意が面倒だし。
燃やせないゴミとなると、基本的に金属だ。
応用的には石材である。
こちらは完全にリサイクルをしている。
捨てるなんてとんでもないのだ。
金属類が再利用できるのは常識だ。
こちらは鍛冶師らに渡してしまえばいい。
石材に関しては、物が小さいとか、固いが悪いとかそんな事はどうでもよく、道路の舗装に使っているよ。
一応ね、家と村は綺麗に繋がっているけど、砦までの道は整備していない。
どうせ砦を抜かれたら終わりなんだし、砦までの人と物資運搬の利便性を考えると、そこまで道を敷いた方がいいんだ。
大狼らには、全く関係ないけどね。人間が通るなら、その方がいい。
これまではゴブニュート村の扱いを隠れ里にしてきたけど、もう周りにバレているので、隠す努力は必要ない。
それ以上に、利便性を考慮すべき段階に入っている。
扱いが特殊なのは、魔法関連。マジックアイテムだ。
こちらもゴミとして扱ったことがないけど、もしもこれを捨てた場合、厄介事のタネになる。
マジックアイテムを取り込んだ生き物が変質する可能性があるんだよね。俺の、合成のように。
レアだし数が少ないので今のところ管理は行き届いているけど……晶石系アイテムを増やし続ければ、いずれ問題が起きるだろう。
また手間をかけさせられるのはご免である。