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22-4 封印術の可能性①

「いいなー、パワーアップ。私も何か欲しいなー」

「リスク管理の面で、凛音も封印術が使えるというのは大きな利点ではないですか? 使えるようになる、それだけなら何も問題無いと思いますけれど」


 凛音の提案を三人娘の残る二人に話してみたが、莉奈は羨ましいと言い、夏鈴はなぜ反対するのか分からないといった風であった。


 合成は進化ではないが、進化に準ずる変化をもたらす事が多い。

 これで凛音の姿が大きく変わったらどうするというのか。


 俺の懸念に対し、夏鈴は微笑んでこう言った。


「祈りましょう。問題ありませんように、と」


 二人は凛音の提案を蹴らなかった。

 約束した手前、俺は凛音に封印術式の合成を行うが――不安の方が大きい。



『ゴブニュート・ウィザード』 + 『封印術式の記録用紙』 = 『ゴブニュート・ウィザード』



 よし! ジョブに変化がない!!


 ある程度魔力が回復したところで、新しい記録用紙を作り、合成した。

 この記録用紙を合成しても☆の数は4以上に増えないのか、凛音はウィザードのままだった。セーフ。


 カードテキストには捕食封印について何も書かれていないが、凛音本人の感覚として、封印は使えるようにはなっているらしい。


「んー、ん? 思っていたのと、ちょっと違う。でも、錬と同じような効果しかないと思う」


 凛音は何か違和感を感じるというか、自分の封印と昼間に見た捕食封印とは、何かが違うと思ったようだ。

 ただ、それを上手く言語化できず、やっぱり同じと言い直す。


「もしかして、自由度じゃないかな? 術の中になにかしらの変数があって、それを上手く使えば、出来る事が増えるとか」

「そう、それ!」


 俺は凛音に対し、適当な事を言ってみた。

 術に柔軟性があるとか、そんな感じの事を言ってみる。

 するとその考えが凛音の中でかちりと嵌ったのか、勢い込んで俺の言葉を肯定した。

 そして自分の世界に入ると、術に対し色々と考えだした。


 どこに変数があるのか、どんな変数なのか、どんなことができるようになるのか?

 それはまだ分からないが、悪い事ではないだろう。

 凛音の考察が終わったら、それを実演してもらってから考えればいい。



 俺の魔力が足りていないときに何かをすれば、対応できなくなる可能性がある。

 今晩の話はここまでで、続きの細かい話は翌日に持ち越す。


 すぐにでも試したいと言い出す凛音を、今度こそ強く止めて、この日はゆっくりと寝た。

 ちょっと、夏鈴さんや。明日は大変そうだから、今晩はゆっくり寝かして……。


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