20-23 救済、のち反動①
二人はドールから、ニューマンになった。
カード名の方がヒューマンにならなかった訳だが、そこはカテゴリの方がヒューマンなので、良しとしておく。
あと、ドールの時から☆の数とかその他データが変わっていないのが気になったけど、自分としてはそれがどうした、なので、気にしない。
ただ、ニューマンの先輩である終は☆5である。
表記上はニューマンだが、ニューマンとしてのテキストを持たず、低スペックである。
これはたぶんだけど、血玉を壊して低下したスペックが、ニューマン表記を削ってしまったのではないかと思う。
しかしジョブ的な部分、ポリティシャンとかジェネラルが仕事をして、このレベルを維持している。
全部、推測だけどね。
さて。
ニューマンに生まれ変わり、生き残ることに成功した二人。
生命力と魔力の底上げで、血玉が壊れて即死するのを回避し、生物として作り変えられたわけだ。
人間が血玉を埋め込まれてモンスター化するんだから、ある意味では可逆的な変化と見る事もできる。
昔のラノベで、キメラにされた青年が「混ぜたジュースは分離できない。それと同じように、キメラ化した者は人間に戻れない」などと言われていたが、ここはそのラノベの世界ではないのだ。
モンスターが人間に戻る事だって可能なのである。
ただ、なんの対価も支払わずに済んだわけではない。
最初に説明していた通り、二人の姿は一気に老け込んだ。
ごっそりと減った生命力は外見に大きく作用する。今の見た目はアラフィフではなく、もう10は上に見られるだろうね。
この老け込んだ姿を人目にさらしたくないので、二人は朝まで泊ってもらう。
実験の時と同様、☆の数も変わらなかったし、強化するための魔力は「また後で」と言いたくなるほど減っているけど、それぞれに強化3回の計6回なら、夜まで待てば十分な量を確保可能だ。
二人も老け込んだ姿を人に見られたくないという事で、宿泊については同意してもらえた。とても、あっさりとね。
翌朝までに二人の生命力を2回強化し、その後、強化で若返りを選択して外見を元に戻した。
実際は元よりもずいぶん若くなり、今度はアラフォーか、下手をするとアラサーに見えるほどである。
普通に3回若返らせるよりは効果を押さえたわけだが、ちょっとやり過ぎたかな? 生命力の強化1回の後に若返らせ、もう1回、生命力を強化した方がバランスが取れたかもしれない。
「嘘……。これが、私?」
「はははっ! 滾るぞ!!」
やってしまったものは、仕方がない。
これ、下手をしなくても大問題になるよなぁ。
若返りの依頼が殺到しそうだ。