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19-24 闇の手⑥

 ――国内に不穏分子がいるのを見逃せというのか? それ以上の警告は内政干渉である。


 これが、周辺国家から行われた再三の警告に対する、岐阜市評議会側の返答だった。


 戦闘以外の方法をまずは試みるべき、対話できないと決まってもいないうちからそれだけの軍を動かす必要があるのか?

 それらの言葉を「内政干渉」の一言で切り捨てる今の岐阜市は、完全に暴走状態にある。

 戦争反対を求める声は外国だけでなく国内からも上がっているというのに、それでも止まろうとしないのだから。



 ま、戦争になる前に潰す事になるかな?


 色々と考えたが、軍が村まで来るのに時間がかかるので、軍が動き出したら評議会を襲撃する方向で計画を立ててみた。


「はい。わざわざ村が襲われるまで待つ必要はありません。援軍の無い籠城は自殺と変わりありませんし。

 むしろ相手の機先を制するためにも、こちらが打って出る方が双方の被害も抑えられるでしょう」


 夏鈴もこの考えに賛成で、こちらから岐阜市、正しくは評議会の主戦派を襲撃した方が誰にとっても被害が小さい。

 主戦派さえ排除してしまえば、停戦も楽になるだろう。



 この考えについては、大垣市の署長さん、三河の国の堀井組、尾張の国の国主からも賛同を貰っている。

 最悪、武力行使をするのであれば、末端の兵士よりも頭だけ挿げ替えてしまう方が誰にとっても都合がいい。


 ただ、武力行使は最後の手段だ。

 可能であれば斎藤を救出し、国主の権力でドールに作り替えられたであろう女性評議員をどうにかする。

 その為の努力は、署長さんに任せている。





「ん? じゃあ、わたしの準備は要らなかった?」

「いいや、そんな事は無いよ。莉奈の守りが無いと、もう一つの最悪に備えられないからね。

 俺たちが打って出られるのは莉奈のおかげだよ」

「えへへ。良かったー」


 この作戦については、夏鈴の賛同を得ているのだが、夏鈴は一つだけ条件を付けていた。


 村の防備の強化である。

 夏鈴は、敵が岐阜市の軍を囮にして、本命の少数精鋭を村に送り込むという展開を憂慮していたのだ。


 どうせ人に見られはしないだろうから、ワクチン・オーク達を召喚して残しておくが、それでも被害が出ないに越したことはない。

 将軍に軍2つを付け、村の防備に当たらせれば、滅多な事は無いだろう。


 また、村の周囲の森には莉奈特製の毒性植物を多数植えさせておいたので、森に足を踏み入れるだけで大惨事になるかもしれない。

 死にはしないが、わりとエグイ効果の毒を用意させたので、引っ掛かったのが出れば愉快な事になると思う。

 下痢系の毒は、植物だとメジャーなんだよね。

 あと、精力超強化は毒で良いのかな? ……昔から、軍には衆道というものがあってだね……。



 出来る事はやっている。

 出来ない事は人を頼っている。

 打てる手は、全部打った、はず。


 後は結果を待つだけだ。

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