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2-05 猪狩り

 俺は大垣を出て揖斐川沿いに北へと向かった。

 そして神戸(ごうど)町という大垣市の衛星都市のような場所で休憩し、そこから西の山へと入る。



 この世界、猪は最悪の害獣という位置づけだ。

 繁殖力が強く、下手するとゴブリン以上の厄介者として農業をしている者から嫌われている。

 食肉としては人気があるし、毛皮にも需要があるが、それ以上に農作物への被害が大きい。一部ではあるが、ゴブリンが猪を狩っては食うので、ゴブリンを使った猪の間引きをしている地域があるという。

 嫌われ者の猪を狩る狩人はどこでも重宝されるので、一言「猪を狩りに来た」と言うだけで扱いが良くなった。


 子供のようにも見えるゴブニュート三人娘に怪訝な顔をする者もいたが、魔法が使える事をおしえてみて、実際に猪を狩った実績として肉を持ち込んだので納得してもらえた。


 いやぁ。カード化って、本当に便利ですよね。

 アイテムボックスとかには劣るだろうけど、運搬系の能力としては破格だと思う。100㎏あろうと、カードにすれば数gで済むんだから。

 ついでに疑似的な時間停止に加え、状態を良くすることもできるんだから。



 神戸町では、大垣市と同じぐらいの量の肉を持ち込んだけど2000円にしかならなかった。

 人口が少ない分、猪肉の需要が下がるようだ。そして供給量は大垣市より上。値下がりは仕方がない。

 あとは森とか山とか、猪の住処が近いからね。欲しければちょっと山で狩りに行けるという環境なら、そこまで高くならないか。


 そうすると、運搬する距離も含めての4000円だったんだろうけど。

 それでも、かなりいいお値段で買ってくれたような気がする。


 つまり次もあのお姉さん(・・・・)の所に売るべきだな。あの人は、いい人だ。





「そんな訳で、まず猪を狩ります」

「「「はーい!」」」


 猪狩りは、わりとシンプルだ。

 カードの強化で香りを強くしたドングリを使い、おびき寄せては殺すだけ。

 カードのアイテムなので、食べられても減らないドングリは何度でも使える。殺すのに魔法を使えば、安全を確保するのも簡単だ。

 ここに来るまでも何度か猪を狩ることには成功しているので気楽にやれる。



 まだ猪肉はストックがあるのでそれを狩ったものとして放出してもいい。

 けど、ここに俺たちを送り込んだ人たちは、農作物の被害が少しでも減るように期待していたはずだ。

 ならば少しは期待に応えるべきだよね。


 それに、一回ぐらいはちゃんと猪を狩らないと、疑われるかもしれないし。猪狩りにかこつけて、何か悪さをしているのではないかと。

 町の出入りは簡単だけど、そうやって疑われないわけではないんだよね。

 常に全力とは言わないけど、ある程度は普通にやろう。





 なお、この近辺の猪はかなり数が多く、20匹以上も狩る羽目になった。

 夏鈴たちだけでは手が足りず、鉄剣部隊まで呼んだよ。


 あと、運搬には神戸町から応援を呼んだ。

 肉と毛皮を無駄にするのも忍びないし、これを全部カード化したいと思わない。


 猪は嫌われているなら、カード化して召喚モンスターにするのも使い道が無いだろうからねぇ。

 狼がいるんだから、獣系はそれだけでいいよ。

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