表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カードクリエイターのツリーグラフ  作者: 猫の人
全国ネットワーク
436/729

17-19 暴力的でない自衛手段

 仙台での出来事、美濃の国がその情報を手に入れようと思うと、旅に出た本人らの中の誰かから聞くか、その周囲から話を聞くかの2択になる。


 で、仙台は遠く、俺の大狼のような高速移動が叶わないなら、話を聞きに人を送り出すのは無理だ。時間がかかり過ぎるので、現実的ではない。

 そうなると、あの旅に同行したメンバーのうち、水無瀬少年から話を聞こうとするのは当然だ。少年は一度、爺さんらに話をしてしまっているから。自分たちにも話を聞かせて欲しい、そうなるわけだね。

 俺とその周りから話を聞きだすのは現実的じゃないし。


 詳細はともかく、大まかな部分は無責任な噂として広がっている。

 相手は「自分たちも手を貸したいだけなんだ」と利権に食い込むために教えて欲しいと粘ったようだが、少年は反省しているのできっぱりと拒否。うんうん、いい子だ。



 現状は情報収集に努めているようなのでスルーするけど、美濃の国が何かちょっかいをかけてきた時の為に、少し手を打っておこう。


 人間相手に暴力的な解決手段だけだと悪いイメージが付いてしまうので、それ以外の方法でどうにかしたいな。

 パッと思いつくのは経済的な手段と、噂を利用した政情の不安定化。


 ……無理だなぁ。

 どちらも組織に所属している人間が取る手法だ。組織を持たない俺が取れる手段じゃない。

 俺が持っている地位と言えば、ニノマエのオーナーって肩書ぐらいだろう。


 地位とか身分とか、あればあったで使えない事も無いんだよね。自由が無くなるので、欲しいとは思わないが。

 可能なら地位や立場を持った奴を裏で操る影の支配者とか? そういった立場を手に入れられればいいんだろうけどね。そう簡単にいく話ではない。

 組織を作るとして、どんな組織を作り、どのように運営していくのかとか、そういったことを考えたくは無いのだ。

 すでに隠れ里を全国に作ろうとしているので、これ以上考える事が増えると、手が回らなくなる。


 今できる対策、継続的に実行できる対策を。

 そう考えると、組織的な対応は難しい。

 手軽に使える難民は、もういない。



 相手を倒すための自衛ではなく、自身を守るための自衛手段はどうだろう?

 どちらかと言うと「敵は倒せ」の思考で自衛をするのではなく、相手の攻撃や干渉で揺るがない体制を作るのだ。

 閉じ籠っているだけではいつまでも攻撃されるが、それだって相手のリソースを削る要因になるなら、いつまでも攻撃してくることは無いだろう。


 消極的ではあるが、敵を徒労に終わらせ疲弊させる手段というのを考えよう。

 かつて署長さんが俺に求めた「大人の対応」とは、きっとそんな手段だろうし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ