17-17 病み上がり?
三人娘や終、草原大狼など、一部のメンバーは村に紐づけされる事無く、そのまま単独のカードとして運用される。
逆に村に紐づけされてしまったカードに関しては、今後は単独の運用ができず、事前にコピーしてなかった分はもう諦めるしかない。
微妙に面倒くさいのは発電機で、これはコピーをしていなかったので、一から再製作する羽目になった。
強化も結構してあったんだけどね。元のと同じ性能になるまでどれだけかかる事やら。
寝込んだ後もしばらくは身動きが取れなくなっていたので、神戸町に行く間隔がずいぶん開いてしまった。
そして俺が寝込んだことについては終らが連絡していたので、久しぶりに顔を出せば、多くの人から「大変だったな」「治って良かった」「何の病気だったんだ?」と声をかけられる。
どんな連絡をしたかは知らないけど、熱を出し病気で寝込んだと思われたみたいだね。
「創! これを持っていけ!」
爺さんからは大量の夏野菜を頂いた。
そろそろ夏は終わりだが、植え付ける時期をずらし、収穫量が減っても食べられるものがあったのだ。
作付けの時期を動かすと味が落ちたり収穫量が減ったりするのだが、その年の天気次第では遅らせた方が作物の実りが良くなる事もあるため、保険として少し時期をずらされた野菜が畑に残っている。
作物が全部収穫されると、また次の野菜を育てる事になるんだけどね。
この間に土に肥料を足したり、藁などを混ぜて土を柔らかくしたりと、畑の細かい調整をする。
そのあたりの細かい工夫は野菜ごとに違うため、農業暦の浅い俺ではまだよく分かっていない事も多いよ。
ベテランからは学ぶ事がまだいっぱいある。
貰った大量の野菜は、あとでみんなと一緒に頂きます。
ニノマエの店舗に入ると、オーナーとして店長らから歓待を受ける。
病気とか寝込んだとか、そんなことは関係なく、新しい従業員とか周囲に俺の存在をアピールするのが目的だ。
新人が増えると、たまにしか顔を出さないオーナーは疎まれたりする。
金だけ出して、あとは知らん顔だと陰口を叩かれるのだ。従業員として店を守っている自負がそうさせる。
……店を出すための資金が無ければ、そもそも店その物が存在しないとか考えられない人だからね。
頑張っているのは分かるが、それだけなんだ。自分がいつか店を出すんだとか考えていれば、出資者のありがたみが分かるんだけどね?
足元を見ないまま自立しようとしていない人は、いつもそうだ。
だからこうやって店長が俺に感謝していますよと振る舞うことで、理解を求める。
なんと言うか、政治みたいなものだね。有権者アピールは大変だ。
俺は店長との話し合いと、物資の納品をしていた。
すると、そのタイミングで水無瀬少年がやって来た。