17-6 現在準備中
神戸町まで帰ってきた。
帰り道では、泊った宿でそこの店員に襲われるというアクシデントが一度あったが、全体的には特筆すべき事の無い道中であった。
宿でも寝ずの番はやらせていたからね。問題など起きようはずもない。
水無瀬少年の不安定さは気になるが、俺たちにできる事は無い。
ニノマエの店員仲間や友人はちゃんといるようなので、そちらに丸投げすることにした。
多少は話を聞くこともできるけどね。気の利いたセリフは俺のカードにストックされていないんだよ。
各地に隠れ里を作ろうという事で、村では家を量産させている。
作った家はカード化し、リキャストタイム終了後に、各地にリリースする予定だ。
現地で作ってもいいんだけど、村の中で作らせた方が、やっぱり効率がいい。
材料や道具が揃っているので、無駄が少ないのだ。
人員もそれぞれの隙間時間を自由に使えるから、無理をさせなくていいのも高効率のポイントだ。
現地で作らせる場合は人の異動に時間がかかるし、伐採した木を乾かして木材にするにも手間がかかるからね。
村の中なら既に乾燥済みの木材がたくさんあるし、その他の素材も使い放題。
カード化に使う魔力はそこまで多くないので、カード化後のリキャストタイム、カード利用枠の問題さえ無ければ全部これでいいかなって思うぐらいだ。
ちなみに、リキャストタイムは小さめの家で1ヶ月。大きめにすると3ヶ月となっている。
1回につき10枚ぐらいまでかなぁ。上手くリキャストタイムが終わるまでの時間を有効活用しないといけないね。
ある程度はコピーして増やした方が良さそうだ。
そうそう。
ニノマエの行商を信濃の国や甲斐の国方面に派遣する案だけど、そちらも動き出している。
気に入った商品はいくつもあるし、日持ちする飲食物関連だけでもなかなかの大商いになるだろう。
すぐに多くの商品を買えるわけではないので、時間をかけて、買い物の前にでもゆっくりと現地の商人らと仲良くなればいい。
相手はこちらが定期的に特定の品物を買っていけば、現地の生産量もそれに適応してくれるだろうな。
そういえば、程度にこちらの商品の売り込みもかける。
いくつかの農作物を提案し、あとは現地向けであった方が良さそうなものを持ち込んでみる。
農作物は、現地で購入したものを強化したもの。
農作物は生産力を強化したとか、土壌に良い影響を与えるとか、病害に強いとか。分かりやすい強化を行った。
味はね、下手に弄りたくないので、基本はそのままだ。
便利道具は現代日本の100均などで売っていたような品を中心に、あとは農業などで良さげなものを思い出して作ってみた。
アイディア商品は何処かの番組で見た、尻に張り付いた背の低い椅子とかそんな物だね。
この椅子、草引きとか収穫でしゃがみこむと腰を痛めやすくなるというので、どこでも座れて、運搬に手が必要ないから移動するときハサミなどを持ったままでも大丈夫という品になる。
中腰での作業は体にかかる負荷が大きいんだよ。
あと、東日本だけでなく、西日本にも手を伸ばしておく。
今からでも、京都・大坂方面へ人を送っておきたいんだ。
そんな訳で、ニノマエは人を大幅に増加させないといけない。
各地に送り込む住人も必要だから、どこかでヒューマンのカードを手に入れたいな。
山賊襲撃のような初心者向けのカード補充、ボーナスイベントはそうそう滅多にあるものじゃない。
無い方が世間的には良いのかもしれないが、俺は山賊イベントを期待する生き物である。
人殺しが板についてきた気もするが、そこは突っ込まないで欲しいものだ。