表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
カードクリエイターのツリーグラフ  作者: 猫の人
全国ネットワーク
418/729

17-1 工業山村構想

 俺が考えていたのは、いざという時の逃亡先だ。

 ゴブニュート村を捨てる可能性が出てきたので、遠く離れた中陸奥のどこかに拠点を作ってしまおうかと考えている。

 今の日本は土地あまりなので、山の方に勝手に村を作るぐらい訳は無いのだ。


 そして今度の村には俺の関わらない一般人の立ち入りも少しは許可し、ある程度開かれた場所にしたいと思っている。

 あと、カード化解除をしたジョブ持ちゴブニュートらと、同様にジョブを与えたヒューマンも連れ込んでみようと考えている。


 一度俺がジョブを与えたモンスターやヒューマンのカードは、カード化解除してもジョブを持ったままというのはジンがすでに証明済み。

 ジョブ的にはそれ以降の成長はないものの、そういった特殊技能持ちを大量放出することで俺の将来への布石とするのだ。



 ぶっちゃけてしまえば、通常のカード使用による仲間の人数制限が、いい加減厳しくなってきたと思うのだ。

 あれもしたい、これもしたい。

 けど、カード利用枠の上限に引っかかるからこれ以上増やせない。


 いっそ開き直って、新しい村はカードユニットがゼロの場所にして、そこで色々動けるようにすると都合が良いのだ。

 戦闘系と一部の要職に就いているライトスタッフと言えるメンバー以外はカード化解除していきたい。

 そうやって、できるだけカード利用枠を空けて動きやすくなりたいんだ。





 俺の構想では、カード化解除をした連中だけでは食料やらなんやらの供給に不安が出る。

 だから外部の人間との付き合いを前提にしたい。

 だけど、不特定多数が出入りするというのも、あんまり嬉しくない。


 そこで思い付いたのが、この仙台市にいるドワーフたちを引き込むこと。

 彼らがこちらの構想に対し協力してくれるというなら、そこは仙台市の工房のように人の出入りを制限するお題目が立つ。

 ドワーフの鍛冶工房は、一般人の立ち入りが制限されているからだ。


 一般人への公開と、一般人への入場制限。

 ドワーフを引き込む一番のメリットはそれだ。



 逆に、俺からは工房への技術提供、村で使っている高炉のコピーを提供しても良いと思っている。

 あとは鉱石を集める係を用意してしまえば、彼らの鉄不足も解消するというものだ。


 俺だけでなく、彼らへのメリットもちゃんとあるのだ。



 そしてデメリット。


 俺は自身の情報隠匿が難しくなる。

 今更と思うかもしれないが、まだバレていない情報も多い。

 そういったバレていない情報まで暴かれる可能性が出てくる。


 ドワーフたちにしてみれば、俺を信用していいかどうかという話になる。

 俺には騙すつもりなどないが、そんな事は他人には分からないものだ。信頼関係が出来ていない。


 どれだけ屈強なドワーフでも、薬を使われれば耐えられないだろうからね。

 攫われていいように使われるリスクが存在する。


 ついでに、引っ越しの自由が彼らにあるかどうかだ。

 工房に隔離されている彼らが新しく作る村に行っていいかどうか。上が判断して駄目だと言われたら終わりと、そんな可能性もある。



 細かい部分は賭ばかりだね。

 でも、リスクの分散という意味ではここで一度手を付けておく必要がある。

 ここだけではなく、全国にこうやって逃亡先を作っておけば、生存戦略として大きな意味がある。

 全国に広がる大きな組織のようになれば、手出しもされにくくなるだろうさ。


 ま、それが枷にもなるだろうし、机上の空論だけどね。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ