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16-11 常陸の国

 休息はこまめに。

 体力は高い水準を維持し、不測の事態に備える。ギリギリまで頑張るのは絶対に駄目。

 常に余力を意識しないと、何をするにも危ういからね。



 話し合いの後は少し長めの休憩として、そのまま茨城県、常陸(ひたち)の国を目指す。

 武蔵の国では大狼の情報が出回っていると開き直り、町にも村にも寄らない様にした上で、召喚しっぱなし、人目を気にせず進む。

 こうなると移動速度は上昇し、昼前には武蔵の国を抜けた。



 常陸の国も特に問題なく進む。

 こちらでは大狼の存在で人を怯えさせない様に配慮し、できるだけ山の方を通った。


 常陸の国はお隣、下野(しもつけ)の国との国境に山がある。

 と言うか、山があるからそこが国境になっているのだ。海岸線沿いを避けて内陸を進む分には、人目に晒されず進むのも難しくない。

 鬼怒川をはじめとした大きな川がいくつもあるが、注意すべきはそれぐらいであった。





 茨城県は水戸市の納豆が有名で大豆の栽培も盛んだ。

 それ以外にも茨城町のメロン、常陸牛、奥久慈の軍鶏、鹿島灘のハマグリ、大洗町のあんこう鍋、そして干し芋。自慢される美味しい物が多かった。

 野菜類も多く生産していて、水菜、レタス、白菜、チンゲン菜と、常磐の国こそ日本一だと彼らは自慢する。

 数の多い川に加え、海にも面しているので、魚料理だって多彩である。


 水運の関係で南の武蔵の国に多く輸出をしており、北の陸奥の国にも大豆――と言うか納豆――が人気である。

 俺が知らなかっただけで、常磐の国の食文化はかなり幅広く、山・川・平地・海とバランス良く存在する常磐の国は、かなりの神立地であった様だ。



 それゆえに、問題は欲しい物が増えた事である。


「創様。常磐の国で欲しい物を全て購入されると、帰りの予算が足りなくなります」

「あぁぁ。あれもこれも、全部欲しいんだよなぁ」


 季節柄、手に入らない物も多い。

 しかし、夏のこの時期は収穫物も多く、美味い物だらけだ。

 信濃や甲斐でも似たようなことをしていたので、思った以上に資金の減りが早い。


 予算、金貨類は嵩張ると重いので、そこまで多く持ってこなかった事が災いした。

 金貨など貨幣はカード化すると大垣市の金野のような者に指摘されるかもしれないので、カード化できないのも地味に痛い。

 ゲームの様に何億ゴールドも持ち運ぶ事は、カード化を使えないと難しいのだ。



 妥協案として信濃の国どころか、ここ、常陸の国まで行商をさせる計画を立てたくなる。

 そうなると人手が全く足りなくなるので、非常に面倒だ。


 仕方がない。

 購入を諦めたくない物のために、手持ちのアイテムで換金しやすそうな金属類でも売り払うか。

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