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0-2 兎狩りとカード化

 膝下まである草をかき分け、森までおおよそ5㎞をゴブリンと一緒に歩く。

 その間に、草原特有の小動物と出くわした。



「兎だね。ゴブリン、任せた」

「キキッ!」


 茶色い兎を見付けたので、ゴブリンに挑ませてみる。

 ゴブリンは「分かった!」といった感じの返事をすると、兎目掛けて走っていった。


 兎はゴブリンに気が付くと近くにあった小さな穴に逃げ込むが、小柄なゴブリンならそんな小さな穴でも問題なかったみたいだ。上半身をむりやり突っ込んで奥に手を伸ばし、ウサギの耳を捕まえてから体を引っ張り出す。

 兎は暴れていたけど、ゴブリンは兎の首を掴み、窒息させたのか首の骨を折ったのか、その息の根を止めた。傷はついていないけど、兎は死んで、だらりとしている。



 ゴブリンは兎にかぶりつこうとしたけど、何かに気が付いたように動きを止め、今度は自慢げに自分の狩った獲物を俺に見せる。

 ……いや。ドヤ顔で俺を見ているけど、たまに兎に視線が向いて、物欲しそうにしている。

 主人である俺に獲物を献上しなくちゃいけないと思っているけど、お腹が空いているので兎を食べたい。そんなとこかね。


「食って良し!」

「キィッ!」


 そんな目で見られたら、兎を取り上げようとは思わ無いよ。

 ゴブリンが自分で狩った獲物だし、それを取り上げる主人ってのはなぁ。ある意味では主人らしいが、俺の手元には食料系のカードもあるし、そこまでするほどの事じゃない。

 この兎、何気にカード化できそうだったけど、今回はいいや。


 ゴブリンは俺の許可を得ると満面の笑顔を浮かべ、兎を食べようとする。

 人型モンスターらしく毛皮を剥ごうとし始めたので、俺はナイフを貸してみた。

 するとゴブリンは渡されたナイフを上手く使い、ウサギの皮を剥いで肉を取り出し、それにかぶりつく。


 血抜きも何もしない生肉を食べるゴブリン。

 貸したナイフも血まみれだけど……拭く布が無いなぁ。服で拭きたくないし、水は貴重だし。血生臭いけど、今は諦めよう。





 ゴブリンは肉に夢中だ。その間、ぼーっとしていてもしょうがない。

 待っているのも暇だから、そこら辺に生えている『草』と『草の実』、落ちていた『石ころ』をカード化してみた。


小石(1):アイテム:☆:極小:1時間

そこらへんに落ちている石ころ。


草の葉(1):アイテム:☆:極小:1時間

そこらへんに生えている草。食用には向かない。


草の実(1):アイテム:☆:極小:1時間

そこらへんに生えている草。食用には向かない。


 表記は名前レベル・カテゴリ・格・消費魔力・リキャストタイム・効果とフレーバーテキストの順ね。他にも経験値ゲージがあるけど、数値化されていないバー表示なので省略。

 名前、レベル、カテゴリ、消費魔力はどうでもいいとして、格っていうのはカードの位階って言うか、存在の強さというか。カードにするときの難しさとかかなぁ。☆1は一番格の低い奴で、カード化する魔力も少なくて済んだ。

 リキャストタイムは、カードを一回使ってから、また使えるようになるまでの時間のこと。今のところ、最短は1時間。手持ちで一番長いのは☆6の『平地』で6ヶ月。


 どれもテキストに「そこらへんに~~」と書いてあるぐらいだから、ゴミ一歩手前。

 まぁ、カードにしたし、育てれば使い道も出てくるだろうけどねー。

 今は何の役にも立たないだろうね。

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