表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
387/729

15-22 さらば大垣市

「はぁぁぁ~~。なんとかならなかったのかなー? でも、襲ってきたのを見逃すわけにも行かないし」


 署長さんと縁が切れてしまったことで、俺はがっくりと落ち込んだ。


 分かっていたのだ。こうなることは。

 でも、襲われっぱなしで元凶を放置するなど、俺には出来なかった。

 俺の安全のために、良からぬ事を考える輩には消えて貰わねばならなかった。

 ただ、それだけの話なのだ。



 議員が相手だったため、相手の動員する兵力は100人ばかりではなく、300人かそこらはいた。それが二人分だから600人ぐらいである。

 1人たりとも逃すつもりがなかったので、全力で潰しにかかり、見事全滅させるに至った。

 万単位の人口を誇る大垣市だけど、議員関連600人、その傘下も500人は消したので、被害総数は1100人ぐらい。署長さんも怒ろうというものだ。


 縁が切れてしまったものは仕方がない。

 俺には、ああするしか無かったのである。


 すぐには無理でも、切り換えるしかないのだ。





 大垣市に来る用事は、基本的にも応用的にも、署長さんと駄弁ることだった。

 それがなくなったので、俺の向かう先は今後、神戸町までになるだろう。


 内向的な気のある俺は、人に会うなどの用事がなければ出歩いたりしない。

 そのため、村に引きこもることも多くなりそうだ。



 回復薬供給のルートだけは残しておこうと難民の内、大垣市に残りたい人を中心に人を雇い、ニノマエとは別の名前で店を作った。

 ニノマエもそうだが、俺の創という名前にちなみ、『ファースト』という名前の店である。

 下忍衆とガードナーから1人ずつ人を置いているので、店の守りはおそらく大丈夫。


 配達には人を使うつもりでいるし、この店に俺が手を入れることは無いけどね。

 何かあればそのときは動くけど、それまでは放置だ。


 手広くやっている気はするけど、実際はそこまで手をかけていないので、俺の負担は小さい。



 なお、店員になってくれた越前の難民だった方たちは、ぶっちゃけディズ・オークの記憶を忘れてしまいたいので、故郷に戻りたくない人達だ。

 大垣に骨を埋めたいけど、仕事も無く、伝手も無く、金も無い。

 無い無い尽くしで頭を抱えているので、俺には都合が良いと雇用したのだ。


 これまでは難民として置かせて貰っていたけど、春先になれば越前に帰れと言われるからね。

 タイムリミット間近だったんだよ。

 少ない選択肢で、そこそこ信用できそうな俺から提案されたので、彼らは我先にと飛びついてきた。


 5家族で21人。そのうち、大人は9人。

 定住希望の彼らが食っていける程度の給料は払えると思うよ。





 神戸町に次ぐ、俺と縁深い街、大垣市。


 俺はその大垣市に背を向けた。

 しばらく行かないだろうし、もしかすると見納めになるかもしれない。


 それがなんとなく、寂しかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] そこまで敵対したなら回復薬の取り引きもやめたらいいのに。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ