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13-12 潜入調査③

 忍者ができたのは良い事だ。

 強化6回・進化2回が必要だったが、それぐらいなら特に問題ない。

 むしろ少なかったと言っていい。



 そうやって準備をする間に6日ほど経過した。

 岐阜市に行った連中は捕まったのも含めて全員帰宅済み。捕まった連中には見舞金を渡して補償をしておいたから、特に恨まれてはいないはずだ。

 全部代理人任せだが、殺人事件の容疑者というこちらの事情は伝えてあるので、噂話の流布という追加の仕事もちゃんとやってくれるだろう。


 そして岐阜市の方にも難民がいるので、彼らに協力を要請した。

 こちらで流す噂話の内容は、警察が怪しい動きをしている事、警官の様子がおかしかった事だ。

 殺人事件に対して疑問を抱くよう、下準備を整えてもらっている。



 それと、署長さんとジンから、俺が送った手紙への返信が届いた。


 署長さんの方は、「やっぱり」という反応だった。この人も岐阜市の警察を怪しんでいたらしい。

 ただ、国主が関係しているかどうかについては疑問を抱いている。娘を愛している様子は本物だったから、それを利用して策をめぐらせるより、偶発的に起きた殺人事件を利用してこの流れを作った、国主が犯人だったとしてもそういう予測を立てている。

 どこからどこまでが計算に基づくものなのか、それが分からないと書いている。


 ジンからは、国主の周りは特に不自然な様子が無いというものだ。

 喪に服していたのは1日限りだったが、その後もしばらく憔悴しており、とても演技であったようには見えないという。

 この情報はジンが国主の姿を直接確認しているので、又聞きでもない確度の高い情報だ。


 ……国主の周りは探らなくてもいいのかもね。

 ここに来て、二人が「国主真犯人説」を否定してきたよ。

 俺の中の前提がまた崩れた。



 とりあえず、国主の方にも潜入し、調査はする。

 国主が犯人ではない証拠というのが見つかるかもしれないし、そうでないなら岐阜の署長をこの人に断罪してもらえばいい。

 今のところ情報は完ぺきではないので、断定した行動はとらないでおく。そこが妥協点でいいかな。


 で、もしも犯人ではないという証拠が見つかったのであれば、署長を断罪してもらう為に、置手紙でもして署長の手引きで警官が薬漬けにされたという話を振っておこう。


 ……いや、真犯人じゃなくても置手紙をするのはアリか?

 こちらがそういった情報を持っているというのを教え、プレッシャーを与えるという意味で。

 俺の手札を一枚晒すようなものだが、それ相応の効果はありそうな気がする。

 多少注目を浴びようが、錬金術師扱いされている以上、今更だしなぁ。そこは気にしなくていい、かな?



 打つ手が少ない現状なら、変化を求めて行動するのも悪くない。

 大垣市に続き岐阜市にも草原大狼の恐怖を叩き込むのもアリと言えばアリか。俺の安全が脅かされない程度なら、手札をもう一度見せるというのも楽しそうだ。

 出番がありそうなら、そういった解決方法も試してみるか。物理的な会話(コミュニケーション)を試みよう。





 よし。

 まずは潜入調査。

 その結果次第で次の行動を決めよう。


 今は先を予測して、打つかもしれない手を用意するだけにしておこう。

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