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13-10 潜入調査①

 捕虜にした二人を送還し、俺は次のことを考えていた。


 次、である。

 現状、ジンや署長さんに手紙を送る所までやったのだが、それ以外は何もしていない。


 大垣市で集めた人は解散を指示したし、警察に捕まった人たちは情報屋に解放してもらうようお願いをした。

 追加で噂話を大垣市に流すように言ってあるが、それは念のためで、岐阜市にいる国主相手に何か影響があるとは思わない。精々、何かあった時に民衆を味方につけやすくするだけだ。



 犯人というか、敵は分かった。

 相手の狙いも、俺の確保と考えれば違和感がない。


 で、そこからどう巻き返すのかが重要になる。


 捕まらないようにするには、俺が人里に降りなければいい。

 ただ、俺自身に非が無いにも拘わらず、行動を制限されるのはとても面白くない。かなりムカつく。

 これまで積み重ねてきた人の縁がこんな事で失われるのは我慢ならない。


 つまり、国主をどうにかして、俺が自由に動ける状況を作りたい。

 説得は無駄だろうから脅しになると思うけど、改心させるのが穏当な方法。ただ、こんな穏当な手段を取る気は無い。

 最悪ではなく基本方針は殺してしまえ、だ。


 この一件の黒幕は警官を何人も使い捨てにしているから大量殺人犯であり、殺してしまっていい人間である。

 命令した奴というのは、実行犯より罪が重いと思うんだよ。

 「国の為を思ってやった」「必要な犠牲だったんだ」と言われようと、人を駒として扱い、薬漬けにして死地に追いやった罪は重い。

 こんな悪魔のような所業をした以上、地獄に落とされても仕方がない。むしろ俺が物理的に地獄に落とす。





 問題は3つある。



 美濃の国の国主、こいつが本当に犯人かどうか、確認していない事。

 もしかしたら、真犯人は別人かもしれない。

 どうにかして自白させるか、何らかの決定的証拠を押さえたい。


 どうやって殺すか、というのも問題だ。

 何も知らない場合に限るが、真犯人に操られているその配下まで罪を背負わせるのは、あまり良くない。

 可能な限り非殺傷で終わらせたい。


 最後に、国主を殺した後、俺が殺人犯にならずに済む方法。

 通常、悪党を倒す為なら殺人だって仕方がないよね、などとは言ってもらえない。それを言い出すと、国主のやっている事も「国のため」なら仕方が無いという理屈が通ってしまう。

 なので、殺しても問題ない方法、完全犯罪か、悪事を暴き死刑に持ち込む手段が要る。



 国主が真犯人である事を確定させる過程で、死刑に持ち込めるだけの情報が集まるかもしれない。しかし、そうならない可能性だってある。

 こればかりはやってみない事にはどうにもならず、まずは犯人を確定するための情報収集をどうやって行うか、考えてみるとしよう。


 ……本人かその周辺を拉致して、自白強要。

 これは無いな。


 ……警察官が大量に殺されていたという噂を流し、動揺を誘う。

 その後「あったはずの死体がきれいさっぱり無くなっていた」とか、見間違いを疑われる程度に留めておこう。

 他にも薬で操られていた彼らを見た人を用意し、その話を流す。「どこか様子がおかしかった」「声をかけても反応しなかった」などと言ってもいい。

 これをやったところでどこまで相手が動揺するだろうか? 効果はあまり期待できないかも。


 ……忍び込んで、証拠になる書類などが残っていないか家探しをする。

 これが一番現実的かな。

 家探しの得意そうな仲間って、いたっけ?

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