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13-5 調査②

 難民100人を小綺麗にして、飯を食わせ、岐阜市で聞き込みをさせる。

 情報の統括分析、難民の監督として警官から紹介してもらった10人の探偵・情報屋を付け、ついでに腕っ節に自信のある奴を彼らの護衛として50人雇用。

 合計160人の一団を殺人事件の調査団として岐阜市に送り込んだ。

 あとは結果が出るまで待つばかりである。





 この調査団は、二つの目的がある。



 一つはそのまま、情報収集。


 どこで殺人事件があったのか、本当に目撃者はいなかったのか。それを調べるためだ。

 俺は警察関係者だが警察官でもなんでもないので、警察の持つ情報のうち、重要な物を知る権利が無い。むしろ警察が俺に情報を流したら、情報漏洩でそいつが捕まる。

 だから独自に情報を集め、真犯人を見つけ出すのだ。


 これは推測になるが、岐阜市の警察はたいした調査をしていないだろう。

 俺が犯人なのだから、あとは俺を捕まえて自白させればいい。その程度の認識でいるだろうから、本格的な調査など必要無いと言っていそうだ。

 ちゃんと調べれば新事実が見付かる。その可能性は低くないはずだ。



 もう一つの目的は、俺が捜査に乗り出したと周囲に印象付けるためだ。そしてそこからの情報操作である。


 俺が真犯人であった場合、ここまで大規模な調査団を組むだろうかと疑問を抱くはず。

 それがブラフだと言って目を背ける者もいるだろうが、疑問を抱く者が居なかったとしても、疑問を呈する者を用意すれば良い。

 彼らとは別に、街で噂話を流す班を用意した。

 岐阜市で警察がどの程度信頼されているかは知らないが、その信頼の度合いによっては「真犯人がいるのではないか?」という考えが岐阜市に浸透する。


 付け加えると、この殺人事件は警察が捜査をしていない、そんな印象も持つと思う。

 まぁ、ちゃんと捜査をしていれば話は別だが、「警察に話を聞かれていない」人が「調査団に話を聞かれた」場合、「調査団は警察よりもしっかり捜査をしている」という図式が成り立つ。

 難民たちには「警察に話を聞かれた後とは思いますが、もう一度、当日のことを教えて頂けませんか?」と聞くように指示を出したし。


 どうだろうね? どの程度、どれぐらいの人が警察に話を聞かれたんだろうか? 

 こればかりは予想が出来ないので、どの程度の効果があるかは分からない。

 一応、岐阜市の警察が俺以外が犯人である可能性を考慮し、そのまま捜査をしている可能性も微粒子レベルで存在するのだが。

 ……署長さんは「絶対そんな事はしていない」と断言してたけど。





 一応、ジンにも手紙を送って調査の依頼をしておいた。

 医者としての仕事が忙しいだろうから、患者との雑談程度に話を聞いて欲しいと、そういう訳だ。


 設立目的が情報収集のニノマエの行商組にも仕事を頼んであるし、これで何も分からないという事は無いだろう。



 最低でも、「死体の第一発見者」の特定ぐらいはやって貰いたい。

 事件から日数が経ったし、俺があの女の死体を見ることは叶わないので、死体は本当に獣に食い殺されたようだったのか、これだけは是非確認して欲しい。


 個人的には、俺に罪を擦り付けるために獣がどうとか言い出したと思うんだよね。

 あの女が死んだのは別件で、ただその事実を利用して俺を確保しようとしたとか。そんな感じ。



 これで少しは状況がマシになると良いんだけど、どうだろうね?


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