表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
283/729

11-16 スタングレネード⑦

 用意できなかった金属もあるけど、燃やす金属はマグネシウムでいいらしい。3回目の実験でそれが判明した。

 実験は薄く延ばした状態の金属を火に入れただけだが、これが強い光を放ちながら燃え出した。

 かなり眩しかったので、使う金属はこれで良さそうだ。


 あとはマグネシウムの確保なんだけど、これはもう、鍛冶師たちにお任せだよ。

 本人らも「任せてください」と言っていたので、大丈夫だろう。


 そもそも、スタングレネードを作るのに必要なマグネシウムはそこまで多くないから、大量に確保する必要は無いと思うし。一回二回、採掘できればそれで十分だろうね。

 他に使う案件でも出で来ない限りは。





 マグネシウムを燃やせばいい事が判明した。

 そうなると、次は「投げたマグネシウムをどうやって燃やすか」が課題となる。


「火薬だろうなぁ」

「……硝石の確保はどうするおつもりですか?」

「だよなぁ。それ以前に、硝石が手に入ったとしても細かい配分とか、黒色火薬の製法も知らないよ」


 歴史の授業で習った事だが、戦国時代、戦国大名たちは火薬を消費して鉄砲を撃ちまくっている。

 しかしそこで使う硝石はほぼ外国産で、日本では手に入らないという話だった。

 硝石の国産化、科学的な製法が確立したのは、もっと先の話である。


 硝石を作るには窒素を使うとか何とか、そんな話だった気がするが、細かい製法など俺は知らない。

 残念ながら、カードで代用するにも火薬に進化する物が思いつかない。

 炭でも強化していけばいいのかね? もしくは炭と硫黄の混合物? よく分からない。


 現状、問題だらけだと思っていたが。



「じゃ、私が作る!」


 この問題に関しては、莉奈が手を挙げた。

 植物チートで代用品を作るらしい。


「凄く燃えやすいものを作ればいいんだよね? 出来るよ!」


 こうして莉奈がそこら辺の雑草――あ、あれはこっちに来た当初に作った『可燃草』だ。ただの燃えやすい草。

 それをちょいちょいと弄って、黄色い葉っぱの草に変える。光合成できるのか、それ?


「ん! これで良し!

 でも、燃えやすいから注意してね」


 あっという間に、生産完了。

 葉っぱの部分が火薬になるらしく、乾燥させ、粉末にすると、確かによく燃える。

 簡単な花火という事で爆竹を作ってみたが、確かに音を立てて爆ぜた。


 名前が無いと不便なので、この草はそのまんまの『火薬草』と名付けて、今後は村で栽培をする事になる。



 火薬の問題はこうして解決した。

 ……科学じゃなくて、ファンタジーだよなぁ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ