表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
281/729

11-14 スタングレネード⑤

 消火活動を始めようとした俺たちだが、すぐにその必要が無くなった。

 山が崩れ、地滑りが起きて火の付いた部分が見えなくなったからだ。こうなってしまえば俺たちが何かする必要など無いだろう。

 念のために山の反対側も見に行ったが、そちらも問題無かった。



「しかし、落ち着いて考えてみると、無茶苦茶使い勝手が悪いな」

「そうですね。下手をしなくても、タイラントボアが相手でも過剰な火力(オーバーキル)のように見えます」

「あれは再現できないよ」


 山から離れ、夏鈴たちと『バーストストリーム』の評価を行う。

 山一つをぶち抜く威力があるとは俺も考えておらず、せいぜい山を数10mも削れれば御の字と思っていたのだ。


 はっきり言って、想定外にもほどがある。使えないぞ、この魔法。

 切り札として持っておく分にはいいけど、普段使いできる魔法ではない。

 周囲への被害が大きすぎて、使う場面が限定される。できれば、もっと使いやすい魔法が欲しい。





「反省点は、音と光の組み合わせを最後にした事ですね。その方が魔力効率が良さそうだったからと」

「ああ。先に合成を行うべきだった。反省しないといけないな。結局は最後の合成だって2ヶ月待たされたんだ。先に合成してチマチマ強化した方がまだマシだろうね」


 今回の反省点は、夏鈴が指摘したとおり、俺の考える音と光を出すまでそれぞれの強化を行った事。

 最後に辻褄が合えばいいかなと、楽観視した事だ。


 その結果、細かい軌道修正ができない状態であんな結末を迎えたわけだ。



「だったら今度は先に合成しないとね」

「はい。弱い魔法から合成し、ゆっくりと強化しましょう」


 弱い魔法と言っても、音の方は一段階低い『スチーム・ボム』が最低ラインだ。

 そこに最弱の光魔法『フローライト』を組み合わせる事にする。



『スチーム・ボム』 + 『フローライト』 → 『スタン・ボム』



 ……おい。

 何故? そんな考えが頭に浮かぶが、結論は出ない。くそ、情報が足りなさすぎる。


 『スチーム』は元々火の魔法と水を組み合わせたものだから、その強化系である『スチーム・ボム』と組み合わさる事で『フローライト』の光が強化されたのか?

 そう考えると、『スチーム・エクスプロージョン』と『バーストレーザー』は元になった火の魔法の強化が混ざり合って相乗効果を発揮し、あそこまで高い威力になった?


 んー、要検証だな、これは。

 先にスタングレネードを開発したいから、そっちを優先するけど。頭の片隅にでも置いておこう。

 上手くすれば、強力な魔法を手早く作る方法が確立するかも。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] スタンボム……望まれてたはずなのに感動が……
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ