表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
276/729

11-9 スタングレネード③

 爆音の魔法も、ひな形があるので楽ちんだ。


 ベースにするつもりの魔法は『スチーム』。

 『リトルファイア』に『水』を合成するとできる魔法である。


 世の中には、水蒸気爆発と言う現象があって、それで音を出せばいいじゃないかと思う訳だ。

 水蒸気が光を遮りスタングレネードの威力が落ちるかもしれないが、そこは後で調整可能な事だと信じたいので、まずは『水蒸気(スチーム)爆発(エクスプロージョン)』の魔法を作ろうと思う。





 強化内容は単純だ。

 単純に、音だけを強化する。


 ……が、素の『スチーム』はそんな強化ができなかった。

 よくよく考えてみれば当たり前の話で、ただ湯気を出すだけの魔法だし、音は一切関係なかったのである。


 仕方が無いので、爆発からスタート。

 温度を上げれば爆発になるだろうと推測し、熱くなるように強化を施すと。



『スチーム』 → 『ハイスチーム』 → 『スチーム・ボム』 → 『スチーム・エクスプロージョン』



『スチーム・エクスプロージョン』:スペル:☆☆☆☆☆:小:12時間

『魔力よ、水よ、炎よ。渦巻き逆巻き混ざり合い、生誕の咆哮を奏でよ。白き破壊の鉄槌、万象を退けよ』

 水と炎の融合により水蒸気爆発を起こす。



 最初は単純に温度が上がるだけだったが、俺のイメージを反映してか、徐々に望む方向に進化していった。

 このスペルカード1枚作るのにほぼ1月もかけてしまったが、イメージ以上の物ができたので、大変困っている。


 消費やリキャストタイムの優秀さもあり、かなり便利な攻撃魔法に見えるからね。最初は喜んでいたんだけど。

 ぶっちゃけ、射程の問題を忘れていたのだ。



 今の『スチーム・エクスプロージョン』は自爆魔法にしかならなかった。

 使おうと思って射程を意識してみたら、最長でも1mぐらいしか前に出せず、このまま使ったらヤバいという事で、作ったはいいが一度も使っていない。元の魔法が指先に火を灯す『リトルファイア』だったのは拙かったかもしれない。

 考えなくてもわかる。使えば巻き込まれるのは確実だ。


 では、射程を強化すればいいと思うが、こうなるとレア度の高さが足を引っ張る。

 困ったことに☆5ともなると、強化にかかる魔力が半端ない。

 『スチーム・エクスプロージョン』のままでは使わない方がいいだろうという結論に至った。



 光の魔法の方は、まだちゃんとしたものができていない。

 だったらこちらを射程特化と言うか、遠くに撃てる魔法にして、合成したときにその性質が引き継がれることを期待しようと思う。


 しまったよなぁ。

 最初に射程を伸ばしておけばこんな面倒な事にならず、済んだのに。


 これは一つの教訓として、今後の魔法開発に活かしていくとしよう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ