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11-1 『吸魔晶石』の行方①

 俺の生産活動は、基本的にカードを主軸に据える。

 でっち上げでもいいから、とにかくガワを作り、カード化し、進化させて完成形まで持っていく。


 普通に知識チートで銃を作るなどという荒業が俺にできる訳も無く、能力によるインチキ(チート)で誤魔化すしかないのだ。

 強いて言うなら、完成形を知っていること自体が知識チートである。





 『ディスペル』の魔法を作る事は、何らかの発想の転換が求められるものだった。


 俺が作れる魔法は『リトルファイア』『ボルトショック』『フリーズブリーズ』の3種類で、他にベースになるカードと言えば初期カードの『マナボルト』『ヒール』の2種類。

 どれをどう組み合わせても、『ディスペル』には結びつかない。

 いっそのこと『吸魔晶石』をスペルに合成できないかと試してみたが、それも無理。無駄に晶石系アイテムになるだけであった。


 ならば『ディスペル』できるモンスターを作ってしまおうと、今はその為の杖づくりに精を出している所である。

 『吸魔の杖』とか作って、それを持たせたメイジがいれば、結果は同じだろう。

 近くにディスペルできる魔法使いがいれば、そのうち俺も魔法を作れるようになるかもしれない。



「また駄目だー」

「不思議ですね。これまでと何が違うのでしょう?」


 ただ、その『吸魔の杖』作りは困難を極めている。

 これまでのロジックが通用しない。


 前段階と考えている『魔法使いの杖』は、『木の杖』に『リトルファイア』を合成することで作ることができる。

 この魔法使いの杖自身は無属性のようなもので、ここに晶石系カードを合成すると、それに対応した属性を持つ魔法の杖に変化する。例えば『火晶石』なら『火魔法の杖』になる。

 単純に、『吸魔晶石』は合成できなかったのだ。


 それならばと属性持ちの杖も試してみたが、これも全滅。


 だったら物理的のくっ付けて進化させてみようと、『魔法使いの杖+3(消費魔力軽減3回強化)』に無理やりくっ付けてみたが――これも失敗。

 俺の引き出しも、ネタが無くなりつつあった。



「ははは、こうなったら、もう『吸魔晶石』を直接モンスターに合成するしかないな!」


 半ば自棄(ヤケ)になった俺は、合成可能なモンスターカードを一通り確認し、頭を抱える事になった。



『天眼兎』 + 『吸魔晶石』 → 『カーバンクル』



「よりにもよって、兎かよ!! 黄色くないんだけど!」



『カーバンクル』:モンスター:☆☆☆:中:10日

 カーバンクル1体を召喚する。カーバンクルは額に石を持つ魔獣である。額の石が輝く時、魔法を防ぐ盾を生み出す。



 ちなみに、『天眼兎』は☆2つの兎型モンスターで、とても視野が広いだけの動物である。五感強化に知力強化を重ねた、脱兎シリーズ。特に変な生き物ではなかったはずだ。


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