10-21 俺の休日・前半
久しぶりに村へと戻ってきた。
この手の出張というか、長期家から出る経験は、2年ぐらい前に尾張の国に行ったとき以来だと思う。
それ以外だとほんの数日で帰ってくるからね。
我が家のベッドが本当にありがたい。終の娘が家の管理、清掃をしてくれていたので、すぐにでもダイブできる。
柔らかいベッドに潜った俺はしばらく働かない宣言をして、5日の休暇を取ることにした。
夏休みの如く長期休暇をとる事も考えたが、そこまで長い休みをもらったところで、結局、俺は仕事をしてしまうだろう。
だったら大型連休程度の日数を設定し、その中で徹底的にだらける方が密度の濃い休みになるだろう。
……だらける密度が濃い、という言葉は自分でもどうかと思うが。そこはニュアンスで理解してほしい。
そんなわけで、眠りたいときに寝て、食べたいときに食べて、ほとんどベッドから出ないまま初日は終わった。
2日目ともなると、全く外に出ないのも不健康だと思い、散歩のついでにあいさつ回りをすることにした。
鍛冶場とかに顔を出して武具関連の戦利品を引き取ってもらったり、酒を造る醸造所で飲み干した酒の補充をしたりと、仕事のような事をする。
そこだけ言葉にするとちゃんと休めていないように思われそうだが、それはオマケで、本命はグダグダとしたお喋りだ。
相手にとっては迷惑かもしれないが、飲み物とお菓子を差し入れしつつ、仕事の話や馬鹿話で盛り上がる。
その結果、菓子で膨れた腹では普通の飯が食えず、非常に不摂生な結果となった。
昨日はベッドからほぼ出ていないし、今日は飯関連で健康に悪い生活をしている。
3日目は健康についてちょっと考えよう。
3日目の休みは、簡単なトレーニングをすることにした。
鍛錬というと仕事の範疇にあたると思われそうだが、俺のように直接戦う事が無い奴に鍛錬はそこまで意味がない。趣味の範疇だ。
気分的には大人がフィットネスクラブに通うようなものである。
トレーニングの最初と最後にストレッチをして体を入念にほぐす。
これをするとしないとでは体への負担が大きく変わるので、本当に頑張る。
30分ぐらいストレッチをして、それから走り込みや素振りを2時間して、また30分のストレッチ。
休みに行うトレーニングなので、そこまでガッツリとはやらないよ。
トレーニングが終わったらぬるめのお湯で長風呂だ。
熱めのお湯でサッと終わらせるのではなく、ぬるめでぐだーっと入浴を楽しむ。
入浴剤として柑橘類を湯船に浮かせると、良い匂いがするのでリラックス効果も抜群だ。
お風呂でホクホクになったら、あとは寝るだけ。お休みなさい。