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10-11 リベンジマッチ①

「じゃあ、任せる」

「グモッ!」


 ワクチン・オークの軍2枚だけでなく、ジェネラルも追加した3枚251体で越前町への再攻撃を開始した。

 敵が推定1万体の所に250体で挑むなど馬鹿のすることだが、戦力を見れば質の面ではこちらが上だと思っているので、そこまで無様な戦闘にはならないと考えている。


 ネックになるのは向こうの召喚魔法だけど、その対策も少しは考えているし、前よりはまともな戦いになるんじゃないかな?





 遠くから、夏鈴たちと一緒に戦場を眺めている。

 日本は小高い丘とか山が多いので、こうして俯瞰するように戦場を見るのに苦労をしない。

 逆に向こうからも見えてしまうんだけど、もしも敵がこっちまで来たとしても近くには護衛を付けているし、山裾に潜ませた弓兵が対処するので大丈夫のはずだ。



 まずはワクチンの連中が正々堂々と名乗りを上げた。

 ジェネラルが戦闘で何か言っているが、まぁ、俺には何を言っているのか分からない。

 言葉が分からないのもそうだけど、1kmも離れればどれだけ声を張り上げようと、声は届かないものなのだ。


 何かを言い終えたジェネラルが一歩下がると、鉄壁・魔法の両軍がそれぞれ横一列に整列して歩いて行く。

 敵軍はそれでも姿を見せないが、町を囲う壁まであと200mの所で魔法軍が一斉に魔法を使い出した。

 炎と氷、雷があっさりと壁を破壊する。近くにあった物見櫓も巻き込まれ、その上にいたディズ・オーク数体を地面に引きずり下ろす。



「なんで出てこない? このまま攻め込んで良いのか?」


 それでも出てこない敵軍に対し違和感を感じるが、問題は攻撃のその後だ。

 ぶっちゃけてしまえば相手が打って出ることを前提としており、それ以外の対処はあまり考えていなかったのである。

 町の様子は常に観察していたので、相手が大移動をしたとか、そんな話は無いと思うけど。


「病気が蔓延し、出てくることができなくなった、という可能性がありますが。物見櫓に兵が配置されている以上、それは無いでしょう。

 それよりも、彼らが陽動だと見破られ、こちらに向けて敵軍が大回りをしている可能性があります。

 もしくは、町中に引きずり込んで戦うことを狙っているか。地の利を活かすのもそうですが、あの町は彼らが作ったものではないので、荒れた所で気にならない。むしろ整地の手間が省けたと思うかもしれませんね」


 夏鈴が状況を分析するが、想定外にもほどがある。

 現場指揮官のジェネラルには独自裁量権、現場の状況を見て自由に動いていいと言ってあるが、それでも「敵が出てこない」事には戸惑っているかもしれない。



 ほんの僅かに迷っていたジェネラルであるが、彼はすぐに物見櫓の徹底破壊を行うと決めたようだ。

 壁沿いにそのまま移動し、物見櫓を次々に破壊していった。

 以前、夏鈴たちがやろうとしていた事の再現である。


 そうして移動をつつけるジェネラル率いる2つの軍だが、櫓を5つ破壊した所でとうとう敵が出てきた。

 ただ単に、数を揃えるのに時間がかかっただけだったようだ。


 敵の数はおおよそ1000ぐらい。

 前回見た召喚術士も混じっており、動きを見る限り病気の影響を受けていないディズ・オークの軍が姿を現した。


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