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10-1 越前町の攻防①

 あれだ。

 「越前の国は地獄だった」という状態だ。

 元ネタ的には、月やらなんやらが敵に占拠され、鉄火場どころではなく屠殺場になってしまった状態を言っていたんだけどね。ここ、越前の国も似たようなものである。



 寄り道をしつつも越前にたどり着いたが、状況の悪さには泣きたくなる思いである。

 疫病と言う特性を持つ相手だけに、道中の生き残りが全くおらず、越前の復興はできるかどうか読めない情勢だからだ。


 難民になった人たちが戻ればいいと思えばそういう話でもなく、難民になっているのは主に非戦闘要員の為、彼等だけではすぐに越前の国を奪い返しても、また奪われて振出しに戻るだけだ。

 できれば落ち延びた人と合流し、越前の国を維持できる体制を整える所まで頑張ってほしかったんだけど。

 このままいけば、俺は無駄に戦闘をしただけで終わる可能性がある。


 間引きと考えれば無駄とは言い切れないけどさ。

 できれば越前復興までの道筋をつけてしまいたいものだ。





 越前の国は、福井県の東半分だ。

 西半分は若狭の国で、今回攻められた越前の国とは別の国である。


 首都は福井市ではなく、越前町の方。

 細かい理屈は知らないけど、福井県の県庁だった福井市ではなく、内陸で美濃の国や近江の国に隣接している大野町でもなく、越前町である。

 どっちも海に面しているんだけどね、福井市じゃダメだったのかな?



 首都の越前町は劒神社などを中心に周辺の山を利用して天然の要塞を作り上げ、梅浦から道口までを海岸線上の防衛ラインとしていた。

 そしてその少し内陸側、陶芸村こと小曾原に人が暮らせるエリアを敵から守るようにしていたのだ。


 海岸線からすぐは山々となっており、大規模行軍はできない。

 ごく一部の道ですら人の行き来は難しく、間に要塞があるので海から攻め込んで勝つことはほぼ不可能。

 越前の国は地形を利用しアンカマーを何十年と撥ね退けた、まさに難攻不落の国だった訳だ。





 が、今ではディズ・オークの支配するディストピアであり、人間側から攻められることを想定していない脆い国である。


 何とかなりそうだが、それはやはり今の話。

 時間が経てば奴らは内陸側に砦を置き、備えるだろう。

 時間が味方するのは、俺たちではなく敵さんだ。


 早い段階で攻め入る必要があった。

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