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9-10 他の難民

 エルフの難民キャンプでは特に問題が起きる事など無く、無事に家まで戻ることができた。

 あちらではずいぶん人から感謝され、信頼を得ることができたと思う。

 人間、苦しい時に手を差し伸べてくれる人には弱いと言うけど、ここまで感謝されるとは思っていなかったよ。



 これは後で聞いた話だけど、白石さんらは他のエルフの集落に支援を求め、断られた後だったらしい。

 俺たちよりも他のエルフとの方が仲間意識があったから先にそちらに向かったらしいけど、そのエルフたちもすでに別のエルフに支援をしていたりと、余裕が無かったのだ。

 で、最後の最後、藁にでも縋る思いで俺たちの所に来たのだと、頭を下げられた。


 まぁ、いいけどね。

 それぐらいは気にしないよ。うん。





 エルフの難民キャンプでは無事だったけど、帰ってからが大変だった。


 まず、食料の備蓄が大幅に目減りしたことはどうでもいい。すぐに増やせるので、それを不安がる仲間はいない。

 そもそも大量に食料を抱えるようにしているのは、タイラントボア対策だったのだ。自分たちで食う分ではなかったから気にならないわけである。


 大変なのは、各地の状況。

 美濃の国というか大垣市近辺は“謎のタイラントボア出現”により大して被害を出すことなく防衛に成功したけど、他はそうもいかなかったからだ。

 ディズ・オークの軍は各地に派遣されていたので、近江の国を始め、若狭や他の国々には少なくない被害が出たというのだ。



 細かい事を言えば、そこまで大きな被害を出さずに防衛するところまでは成功したんだ。

 ただ、その後の疫病が蔓延するのを防げなかったというのだ。

 さらに難民受け入れをした少し内側の国でも同じように疫病が蔓延。難民から感染が拡大しないように誰もが注意していたというけど、それでもやられてしまった形である。


 ディズ・オークは「これ(疫病)」が怖いので、過去に起きた事例から外見や当時の被害状況が残っていたのだ。それこそ、俺が簡単に情報を聞くことができたほどに。

 前回の被害は20年以上前だったらしいが、それでも当時の悲惨な記憶が忘れられない程度の被害が出ていた。

 注意すべきモンスターとして、早い段階で名前が挙げられるのだ。


 単純な戦闘能力だけのモンスターより、病気の方がよっぽど怖い。

 生じた混乱は簡単に収まらないだろう。





 かなりどうでもいい余談になるが、ゴブリン、オークと並んで雑魚モンスターとして有名なコボルトは存在しないようだ。

 犬頭の獣人種とかそっち系のモンスターを考えるより、「ライカンスロープ」という獣付き系のモンスターの方が有名らしく、ワーウルフと区別がつかないのが大きいようだ。


 ワーウルフっていう、人間と狼を足したようなモンスターは居るんだよね。しかも結構強いらしいやつが。

 で、雑魚モンスターってイメージと違うから、コボルト認定をされていない。

 もしかしたらそいつがコボルトかもしれないが、出現率が低いので、たぶん俺が出会う事は無いだろう。


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