9-4 内乱①
それにしても、今後を占ううえで気になるのは越前の現状だ。
現状はディズ・オークの軍が攻め込んできたことを考えると、越前は陥落してしまったと見ていいと思う。
フリーマン3人を救出しに行った仲間の動向も気になるけど、そっちの誰かが死んだという反応は出ていないので、3人はともかく、救出部隊の無事は確かだ。心配しなくてもいい。
まだ戻ってこないことを考えると、奴らの生態を考えると捕まってしまったという可能性は低いので、逃げ延びたけど動けなくなってしまった、そんなところだと思っている。
戦力の逐次投入は愚策と言われるけど、偵察部隊を派遣し、北の様子を探らせることにした。
今はとにかく情報が欲しい。
北の方はそのように対処したけど、俺は南の方の情報も探らせている。
状況にも依るけど、俺は北征もありうると考えている。
北に大きなアンカマーの拠点があるとなると、俺たちにとって脅威と言う他ない。
そこで俺たちが一撃加え、安全を確保しようと思うのだ。
ただ、そうなると美濃の国を始め、周辺各国の動向が気になる。
こいつらが余計なちょっかいをかけるようであれば、俺たちの足を引っ張りかねないのだ。
俺はあまり国の意向ってものに縛られたくない。
俺の情報を探られるのは面白くない。
だから、国の動きをちゃんと見て、邪魔をされないうちにやる事を済ませておこうと、そう考えている。
国の動きなんて遅いだろうと高を括っているが、もしも国が素早く動き、連携して越前奪還を掲げるのであれば、俺は何もせず、動きを見守るだけに留める。
時間的に猶予があるのなら、その間に俺が一撃加え、しばらくの安全を確保する。
一国で収まる話ではないから、動くなら確実に動きが見られるはずだ。回復薬を寄こせとニノマエの方に何か打診があるかもしれないし、動向を掴み損ねるという事も無いはず。
基本的な方針はそれぐらいだ。
人間の国の動きについてはニノマエが収集する手はずになっている。
その為に組織したわけだし、現在は行商も再開しているので直に報告が上がる。
そうして上がってきた情報、その報告書を目にした俺は、思わず天を仰いだ。
「そういやぁ、スパロ〇でも敵の半数は同じ地球人だったなぁ」
強大な外敵を前にしても一つにまとまる事の無い〇パロボのシナリオを思い出し、俺は頭を抱える。
報告書には「尾張で内乱発生。駿府の国の暗躍の可能性が高い」と書かれていた。
よりにもよってこのタイミングで、と思わなくも無いが、このタイミングだから動いたんだろうなぁ。