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8-26 終わりと始まりの予感

 圧倒的な力で敵軍を踏みつぶし、跳ね飛ばし、打ち砕いたタイラントボア。


 こいつらの事はディズ・オークも知っていたのだろう。種族は違うが出会っただけで絶望的な顔をしていたのが分かった。

 硬いからね、こいつら。普通に考えれば、倒すのは難しいだろう。足が速いから逃げるのも困難だし。絶望したのも無理はない。


 送還前にまた1頭で1tほど食料を平らげていったので、俺の手持ちの食料が4t以上は消えて無くなった。

 食料は増やす事も簡単なので特に問題は無いけどね。



 今回も死体の後処理にカード化を行いつつ、チマチマチマチマ頑張っている。

 カード化も利用枠を使うし、一度にできる事ではないので、後半は冷凍保存した死体を相手に頑張る事となった。

 腐乱死体を相手にするよりはマシだけど、こいつらを凍らせておくのに使われた『千年氷河』は、ちょっと廃棄したくなった。勿体ないからしないけどさ。


 なお、『ディズ・オーク・ジェネラル』というカードが手に入ったため、5枚一組どころか125枚を一組にする『軍』系カードが解禁となった。

 手に入ったのは死体処理の後半で、もっと早くに手に入っていれば、ここまで苦労せずに済んだのに……。へこみはしたけど、状況が改善されたのは間違いないので、無理やり喜ぶことにした。

 兵種が違っていると駄目みたいだが、2枚ほど『軍』カードが手に入ったよ。



『ディズ・オーク・ジェネラル』:モンスター:☆☆☆:中:1ヶ月

 ディズ・オーク・ジェネラルを1体召喚する。ディズ・オークは病原菌や毒をその体に取り込む事で病気や毒に対し強い耐性を持ったオークである。病毒耐性以外は通常のオークと性質が変わらない。

 ジェネラルはより多くの戦士を率いる統率者である。力を示し多くを率いるその姿は部下に勇気を与えるが、もしも死んだならば彼らの心を挫く事だろう。勇敢なれど、慎重な振る舞いを忘れてはいけない。



 ☆の数が通常の兵士と変わらないのが失笑を誘うが、レアリティの判定はよく分からない何かを基準にしているので、そんなものだと納得するしかない。

 おそらく魔法を使えないとか、そんな理由だと思うけどね。


 気になったのは「部下に勇気を与える」って部分だが、こいつらを召喚する可能性はいまのところ……かなり高いか。低い、って言いたかったんだけどね。

 日本海側の状況がはっきりしない現状では、村の安全のためにも一度カチコミをしに行った方が良さそうだし、出番はありそうだ。

 フリーマンの3人が無事だといいけどなぁ。





 せっせと死体処理をして、病気に感染していないかの確認もして、何とか無事に全部乗り切った。

 400を超える死体処理にかけた時間が15日程度であれば、かなり早く終わった方だと思う。


 空いた時間でディズ・オークの病気に対する血清を作り、それをポーション(水薬)タブレット(錠剤)に作り替えるとか、そういう病気対策も行った。

 ずっと死体処理をしていた俺がまだ病気になっていない事を考えると、そこまで感染力が強くないのかもしれないが、それでも神戸町でだれか発病しているかもしれないからね。何かしらの対策は必要だ。

 あっちが無事なのは確認済みではあるけど、病気になったという人が本当にいないとは限らないし、大垣市の方ではそれらしい患者が出たって話だからね。ポーションの方は売っておこう。感染が拡大すると厄介だし。でも、またいろいろ言われそうだから、現品限りと言っておくかな。材料も無限にあるわけじゃないから。



 今回の件は、俺たちだけを見れば無事に終わった。

 神戸町までは“まだ”被害が出ていない。


 ただ、敵の本隊は皆殺しにできたわけじゃないから、どこかにディズ・オークが逃げ延びているのは間違いない。

 敗残兵を掃討するのは、おそらく不可能だと思う。横〇さんよりは生き残るための条件が緩いし、そこそこの数が逃げ延びるだろうね。


 つまり、まだ終わっていない。

 俺たち人間とディズ・オークの戦争は、まだ始まったばかりなのだ。


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