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8-16 戦後処理

 戦争などで厄介なのは、ただ戦闘に勝っただけでは不十分で、戦後の処理が必要な事だ。

 相手がならず者の集団みたいなディズ・オークの一団だったとしても、それは変わらない。


「ま、俺の場合はかなり手抜きなんだろうけどさ」


 カード化による死体の回収。

 直接触れずに死体を回収できる俺は、こういう時に力を発揮する。



『ディズ・オーク突撃自爆兵』:モンスター:☆☆☆:やや小:10日

 ディズ・オークを1体召喚する。ディズ・オークは病原菌や毒をその体に取り込む事で病気や毒に対し強い耐性を持ったオークである。病毒耐性以外は通常のオークと性質が変わらない。

 突撃自爆兵は、相手に殺される事で体内の病毒をまき散らし、周囲を汚染する兵科である。この者らの死体は、他のディズ・オークよりも強い病原菌を保有している。



 気分は最悪だけどね。

 突撃自爆兵。大半は普通のディズ・オークだけど、こうやってカード化した中に嫌な文字が紛れ込む。

 やっぱりこいつら、捨て駒じゃないか。



 俺が嫌な気分に陥っている周囲では、ゴブニュート達が石灰を撒いている。

 これは消毒とか除菌のつもりで、効果があるかどうかは分からないが、一応やっておくように指示を出したのだ。

 気休めだけど、これで少しはマシな気分になるのだからやらないよりはいいだろう。


 どうせ畑は砦の後方だ。前方が石灰まみれになったとしても、そこまで大きな影響は出ないだろう。



 なお、手に入れたカードは58枚。

 殺した数の90ぐらいに届かないのは、凛音の魔法で死体も残さず焼き尽くしたのがいたからだ。

 さすがに範囲攻撃魔法が直撃すれば、跡形も残らないよなぁ。





 戦後の処理が終わったら、砦は一時的に出入り禁止にする。

 砦にたどり着く前に追い返したとはいえ、今の状況下で使わせるのはちょっと怖い。10日ほど様子を見ることにした。


 で、今回、戦後処理に参加したメンバーは一回送還。召喚し直しをする。

 これで本当に上手くいくかは不明だけど、不幸にも感染していようが、運が良ければ病原菌は召喚されずに済むだろう。


 カードには病気になったとか書かれていないので大丈夫だとは思うけど、念には念を、だ。

 これらの行為は、カードモンスターの仕様チェックにもなる。今のうちに一回ぐらいはやっておくべきだ。

 何ができて何ができないのか、知っておくのは大事だからね。



 ただ、周辺の偵察に出るメンバーはしばらくそのまま。

 偵察が終わったら召喚し直すので、それまで病気の恐怖と戦ってほしい。

 こちらも、『ヒール』の進化で病気を治せるように全力を注ぐからさ。


 けどさ、ウィルスによって体の機能が不全に陥るのと、怪我をして体が万全じゃなくなるのって、何がどこまで違うんだろう?


 回復過程が違うから、自然治癒力を促進する回復魔法じゃダメって話か?

 それとも原因菌が体内に残っている事による再発が問題か?


 体を万全にする魔法なのか、ただ治癒力を引き出す魔法なのかの線引きが難しい。

 そもそも、一瞬で怪我を治すような“魔法”のできない何かってなんだろうね。四肢欠落とかの重傷も治せる魔法までは頑張って作っていたけど、感染症かぁ。なんとかなるかな?



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