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8-14 北からの侵入者②

 今度の望まぬ来訪者はかなり性質が悪い。


 今度は人間の集団ではなく、モンスターの集団。

 しかも、この周辺には居ないはずの連中である。


 それはオークと呼ばれる、豚面の人型モンスター。

 ラノベではゴブリンより一つか二つ上の強さを持ち、肉が美味く睾丸が精力剤になるだとか皮が防具の素材に向いているとか言われる有用なモンスター。あと汁物男優。

 俺の目の前にある現実では汚らしい恰好に見合った病気持ちで、一番厄介なのは強さではなく病原菌とまで言われる、最低最悪の存在。


 豚や猪はわりときれい好きと言われているし、そっちのお肉は美味しく頂いているが、さすがにアレは無い。

 人型モンスターとして武器や防具を作る知能があるけど、その知能を使って疫病への耐性を体の中で作り、自身の守りに変えたという。

 耐性ができても影響が全く無いわけではなく、ピンクの肌に青い斑点が出ていて、それで普通のオークとは違うと判別できる。


 『ディズ・オーク』


 話に聞いた事はあったが、いたら大惨事間違いなしのモンスターだ。



 敗残兵らしく、半数は怪我を負っているようだが、それでもその数は100近い。

 村を守るためにもここで食い止めなきゃいけないが、ここから先が病原菌に汚染されたかもしれないと思うと、本気で泣きたいよ。


 神戸町やこの近くにある村とかは大丈夫だろうか?





 こちらが有利な点は、砦の物見櫓が先に相手を見つけた事。

 おかげで開戦までの準備時間を取ることができた。



 砦と俺の家は気合で引いた電線で繋がっており、敵の襲来はすぐに伝えられていた。

 情報伝達が早かった事もあり、オーディンらの足を借り接敵するまでに俺たちは砦に詰めることができた。


 俺さえ移動してしまえば、現地で部隊を召喚しなおすだけでいい。大軍の移動に関しては、俺や召喚術士がチート級の優位性を持つ。

 戦力を整えられたので、一方的に不利になる事は無い。



「基本は遠距離攻撃。矢玉は惜しむな。使い切ろうが構わない。とにかく近付けない事が大事だ」


 敵が病気持ちという状況では、近接系部隊の出番は本当に最後の手段となる。

 返り血を浴びるなど怖くてできないし、流れた血が足について、歩き回った結果そこから病気が広がるとなっても嫌だ。

 あとで血清とかそういった対病気用アイテムを作るために近寄らないといけないが、本当にそれ以外では関わりたくもない。



 射撃の得意な部隊を増やしたのは運が良かった。

 魔術師だけでは手が足りない可能性もあったし、手が増える事で余裕が少しでもできたのは良い事だ。

 とにかく遠距離攻撃で決める。


 全滅させることが目的ではないため、逃げられたって構わない。

 ……ああ、だからここまでやって来たのか。こいつらは。


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