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8-3 そうだ、砦を作ろう②

 砦を作る場所は、家から西に4kmほど進んだ場所だった。

 ちょうど山と山の間になるので、タイラントボアのような山を苦にしないモンスターならともかく、そこさえ抑えてしまえば大勢が攻め込む事は不可能になるという。

 あと、逃げ込むまでは平地が続いているので、村と砦の間は移動しやすいというメリットもある。


 特に面白みもない常識的な判断だけど、言い換えると常道、王道の選択だ。

 避難所としての性質よりも防備を優先すれば、普通はそこにするだろう場所だ。


 これでもしも避難所としての性質を優先するなら、山裾の隠れやすい場所を選んだだろうけどね。





「じゃあ、始めますか」


 俺は適当にかき集めたカード達を使い、砦の基礎工事をすることにした。



 まず最初にやるべき事は、用地の確保だ。

 そこにはまばらとはいえ、木が何本も生えている。


 俺はカード化することで、木々をどんどん取り除いていく。

 この方法なら根っこまで無くなるので、切り株に悩まされることも無い。



 次に、砦建設予定地の周囲を水で濡らし。


「『ファイアジャベリン』! 最大出力!!」


 自分の最大火力を打ち込んだ。



 打ち込まれた先は、先に撒かれた水がある。

 水は一瞬で水蒸気になり、膨張し、爆発した。轟音を立て地面がめくれ、土煙が視界を覆う。

 立ちこめる土煙が消えると、着弾点には深さ1m、直径5m近い大穴が空いていた。


 これは土の魔法が無い俺が、どうにか土建に役立つことができないものかと考え、辿り着いた方法だ。

 水蒸気爆発を使った穴掘り作業なら、わりと簡単にできる。


 これで砦の周囲を掘り返し、空堀を作る予定である。

 俺が魔法である程度掘り返し、後は手作業で形を整える。それだけで必要な労力はずいぶん減るはずだ。



 『ファイアジャベリン』のスペルは5枚保有しているので、リキャストタイムの1時間に5回は穴を開けることが出来る。朝から作業にかかれば、50回は使えることだろう。


 深さ1mはやや浅いので、同じ場所に2回目を撃つ必要がありそうだ。さすがに、深さ1mでは防げるものも防げない。

 砦の周囲に空堀を作る基礎作業は1日では終わらないが、3日もあれば終わるだろう。


 終わったら人を呼んで、整地してもらおう。

 つまり終わるまでは俺1人である。


 爆発しまくりの現場は危なすぎるので、さすがに今から横で作業させるというわけにはいかないのだ。

 なので、護衛もすぐ近くに控えさせず、ちょっと離れたところで待機させている。

 俺は大丈夫だけど、巻き添えが出たら怖いからね。しょうがない。


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