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7-13 火力発電

 発電機を大型化してみた。

 あと、数を増やす。

 電力供給に関してはこれで出力が増えるだろう。


 他にやる事と言えば手回しを止めて自動化をどうするのかという問題だ。


 火力・水力・風力のうち、安定しているのは火力だけだ。

 水力は川が近くに無いので論外、風力は風の強さの影響をもろに受けるので、安定させるなら蓄電が必要になる。


 その点、火力発電はいくつか技術的な問題をクリアすれば他の方式とは比べ物にならないほど安定する。

 その技術的な、の部分はカード化だけでどうにかできるか、未知数なのだが。




 火力発電は、燃料を燃やして水を沸騰させ、水蒸気タービンを回すというのが基本的な仕組みだ。

 燃料に関しては溶鉱炉で活躍しているルーンスミスが手伝ってくれればそれで終了。コークスとか石油とか、全く必要としないで済む。


 水蒸気は冷やして水に戻し循環させるとか、水蒸気の熱で何が別の物を温めるとか、発生するエネルギーの再利用に関する話はいくつも聞いた事がある。

 ただ、具体的にどうするかという知識が無いので、細かい部分は手探りだ。


 水を循環させると言っても絶対にロスは発生するだろうから、水の補充ができる仕組みじゃないと、そのうち空焚きになりすぐに壊れるだろう。

 水の量を増やせばいいという問題でもないので、細かい事は後で考えよう。


 ここまでは、すぐにどうにかできると言えるほど簡単ではないが、特に問題ない。

 で、色々とやっていて、あとから気が付いた問題が厄介だ。



 問題その一。

 タービンや配管などはかなりの強度が必要。


 水蒸気がタービンを回し循環する。

 その時、発電機の内部はとんでもない圧力がかかる事だろう。それに耐えられる物を作らないといけないけど、どこまで頑張ればいいかが分からない。

 小さい問題はその都度叩き潰せばいいけど、こういった大きな問題は事前に対処したい。


 最悪、発電機が爆発してしまうと考えられるのだ。

 近くに人がいれば、間違いなく死ぬだろうね。



 問題その二。

 内部を監視する手段が無い。


 半分は上の問題の続きかな。

 現代日本の発電所は、内部の圧力や炉心の温度を測りながら、慎重に供給電力を調整しているらしい。

 ただ、俺はそれをどうやってやればいいのかが分からない。

 専用の測定機器が無いと厳しいと思う。原理は何となく分かるけど、作り方は知らない。赤外線とか、どうやって測定するんだろうね?


 この問題がクリアできないと、かなり大きなリスクが発生する。



 問題その三。

 神戸町が遠いという事。


 電話系統のアイテムは、相手がいないと成立しない。 

 こちらで通信とかが上手くいったとして、有線で遠距離通信ができるのは家と村の間のみ。神戸町はもっと遠いし、有線は現実的じゃないから無線でいきたい。

 結局、無線はどうやってやるんだという話に戻る。


 付け加えるなら基地局も必要になるだろうし、解決すべき問題がとても多い。



 問題その四。

 これが周囲にバレて、また別の問題が出てくる。


 火力発電のシステムまで含めると、発電機のサイズは確実にかなり大きくなる。

 だから発電機を神戸町に設置すると、かなり目立つ。どうしてもバレることが前提になる。


 発電機を設置しようとすれば、今まで以上に面倒という話。

 小型化とか色々と手法があるように見えるけど、そもそも出力不足だから大きくしているぐらいなので、小型化には限界がある。

 隠そうとする努力は意味が無い。





 ごちゃごちゃと連想ゲームのように湧き出る問題からは目を逸らし、まずは基礎技術の確立。

 あとの事は後で考える。


 先が長い事だけは覚悟しておこう。



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