表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/729

0-11 生きる選択/進化

 『ゴブリン』のカードが増えたことからも分かる通り、この辺りには野生のゴブリンがいる。

 森の中に、野生のゴブリンの集落があるようだ。

 手持ちのカードを分裂させたわけではない。


 この辺り、人間の集落が無いと思ったけど、たぶんだがこのゴブリンどもが邪魔して入植できないようにしているんだと思う。

 ただ単に、この世界に人間がいない可能性も高いけど。


 俺は何とか野生ゴブリンを撃退できているけど、今は撃退できている、っていうのが正しい。

 集落としてゴブリンが存在する場合、戦力差は歴然だからだ。軽めの偵察、不意の遭遇戦ぐらいは何とかなるけど、本格的な戦争になったら勝てる見込みはない。

 なんとか、本格的な戦争までに戦力を整える必要がある。





 ここの拠点は、俺が『平地』と『木の家』のカードで作った拠点だ。

 半年もある『平地』のリキャストタイムの都合上、簡単に放棄できない。


 何より、ここで逃げてどうにかなるという保証がない。

 逃げた先で同じことが起こらないとも限らないし、それなら今のうちにできることを増やして、対策を取った方がマシだと判断した。



 ここで問題になるのは、食糧生産だ。

 戦力というか戦闘要員の確保は『ゴブリン』を増やして対応できるけど、そいつらを養うための食糧が足りない。

 採取や狩りで賄うという方法を考えたけど、この辺りで採れそうな穀物系の植物は無さそうだし、肉の方もかなり微妙。まだ兎はいるだろうけど、それで養える数は今より1匹2匹といった程度と見た方がいいと思う。

 あと、残念ながら泉に魚はいない。どこかから持ってきて繁殖させる必要がある。虫はいるんだけどね。



 あと、戦力を増やすためにできそうなことは、武器や防具による装備の拡充と、カードとしての強化と進化。質を上げるって方法だ。

 もちろん俺自身も強くなるために努力するけど、普通にやるよりはこの方が強くなれると思う。


 そんなわけで作ってみた。


『木の剣?』:アイテム:☆:1時間

 剣の形に削られた木材。


 武器としてはカウントされないようなアイテムです、はい。

 ☆と必要経験値が少なくて済むから、これを強化ではなく、レベル16まで上げて進化させてみた。


『木の剣』:アイテム:☆:6時間

 木でできた剣。切りつけるほど鋭くないが、打ち付けることでダメージを与える。


 進化させて、ようやく武器として使える感じだ。

 それでも☆なのは、木の材質とかの関係じゃないかな? 最初に作ったのは適当に手に入れた木材だったけど、今は樫の木とかそういった武器に向いた木材とか。触った感じがまるで違うので、そう大きく外れた予測ではないと思う。

 大事なのは、武器としてカウントされるようになったことじゃないかな。

 強化と進化の境界線は曖昧だけど、リキャストタイムが増えているし、ある程度デメリットがあっても大幅に強化されるのが進化の特徴かな?


 できた『木の剣』に関しては、ゴブリンの一匹に持たせている。

 最初からいる夏鈴には『鉄のナイフ』を持たせているからね。夏鈴に渡す意味はあんまりない。


 他にも槍とか作ってみたよ。

 そっちの穂先は石で作ったけど、固定が大変だったとだけ言っておこう。


 とにかく、だ。

 やらなきゃいけない事はひたすら多い。

 それがここで生きていくと決めた俺の選択だ。




 余談。

 夏鈴の肌は緑だけど、森のゴブリンは土気色というか、そこいらに生えている木の幹と同じ色だった。

 ゴブリンの肌の色は保護色らしいね。初めて知ったよ。


 便宜上、俺はこいつらのことを『森ゴブリン』と呼ぶことにした。そうなると緑色で草の色の夏鈴は『草原ゴブリン』になるんだろうか?

 そのうち、他の地域のゴブリンを見つけたら確認してみようと思う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ