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4-18 夏鈴プロジェクト

 俺は夏鈴たちに、それぞれ新しい仕事を頼む事にした。


 凛音は魔術師部隊の訓練。皆はカード能力を使わなくても訓練で成長するし、凛音という先達から色々学べばそれだけで強くなる。なので、部下をつけた形だ。

 莉菜は俺を介さない新しい樹木の創造。どの程度のことができるのか、自分の能力を把握するようにとお願いした。

 そして夏鈴は俺と二人で、村全体の防衛計画の立案である。



「偵察を行うのでしたら、やはり村の中にも人を送り込みたいですね」

「夏鈴の魔法で何とかできないか?」

「できなくはありませんが、リソースをそちらに分配する分、他の効率が落ちます。でしたら他の方に任せられる分は積極的に回した方が良いでしょう。

 創様。不本意とは思いますが、『ヒューマン・スレイブ』による“草”の編成を具申します」


 夏鈴が真っ先に言い出したのは、『ヒューマン・スレイブ』の解禁だ。

 そして彼らを使っての潜入・情報収集部隊の編成である。


「『バトル・フリーマン』か『ヒューマン・サモナー』、『ヒューマン・メイジ』のどちらかをパーティリーダーに進化させ、ヒューマン種も部隊編成できるようにする。そして潜入部隊を送り込むことは、今すぐにでも着手すべき内容です。

 潜入先から情報を引き出せるようになるのは、今すぐに送り出したところですぐには無理でしょう。創様の枠を二つ、常時使い潰すことにはなりますが、情報にはそれだけの価値があるのです」


 夏鈴は情報収集のための部隊を作るべきだと力説する。

 俺も情報の大切さは知っているけど、知っているだけで実感が無いし、なにより活用するノウハウがない。夏鈴ほど本気で重要視しているわけではなかった。


 正直、カードの枠を使いすぎるのはあまり嬉しくない。

 土地、家、衣類、三人娘、大狼、村の住人、戦闘部隊各種、一部雑貨。普段からこれだけの枠を使い、常時20以上の枠が埋まっている。

 なんだかんだ言って魔法の強化や食料品の方をルーチンで使っているが、そちらも枠消費は20以上。

 強化の方は空き枠を使い潰すようにしているから数が多いのだが、そこを削るのは心情的に宜しくない。


 その結果、ほんの少し渋面を作ってしまった。

 主である俺を不快にさせたかと、夏鈴が慌てたように何か言おうとするが、だからこそ俺は夏鈴の言葉を受け入れる。


「何を削るかはまた後で考えるとして。まずはチーフかリーダーを用意してカードをスタックできるようにする所からだな」

「……はい!」


 何か言おうとした夏鈴を遮り、彼女の要望を受け入れる。

 俺では思い付かない何かが見えている夏鈴の意見は、感情論で退けていい物じゃない。何でもかんでも言う事を聞くべきではないが、本当に重要な部分であれば、受け入れる。

 その見極めが難しいけど、それをするから俺が主なのだ。ならば主として相応しく振る舞おう。





 ただ、言われたことで一つだけ引っかかるところはあるんだよね。

 リーダーを作る、部隊を編成する。

 それはいいけどさ、何部隊を作ればいい?


 潜入に良さそうな部隊ってなんだろうね。

 富山の薬売り?


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