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このメイド、普通じゃないんだが!!  作者: 苛虎
第1章 俺とバグメイドと…
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ドラゴン達の長 3

「美味い!なんだこれ!?こんな美味いもの初めて食べたぞ!」


 俺は今レッドドラゴンの肉を食べているが、こんな美味いものは今まで聞いたことがない。


「やべぇぞ!今、初めてお前がいてくれてよかったと思ったよ!」

「今まで一度もいてくれてよかったと思って下さったことがないのは残念ですが、ご主人様にそこまで喜んでいただき、私は嬉しい限りでございます」


 やべぇ!これは癖になるわ!俺これからレッドドラゴンだけを食べて生きていこうかな?


「レッドドラゴンを養殖なさいますか?」

「そんなことできるのかよ?」

「メイドに不可能はございませんよ」


 断じてそんなことは無い。メイドといえど人間だ。出来ないことはあるに決まって…こいつって人間だっけ?


「見たまんまでございますよ?」

「ああ〜そっか、人間じゃねぇんだな。わかったよ」

「解せぬ」


 今こいつ敬語なしに普通に言ったよな?


「気のせいでございます」


 なるほど、気のせいじゃないんだな。


「解せぬ」


 やっぱり言ったわ。初めてこいつは敬語以外で喋ったんじゃないだろうか?あれ?そういえば、この前一人でブツブツ言ってた時も敬語じゃなかったような?


「…」

「ま、そんなことどうでもいいがな。そんなことよりも今はこの肉だ!」

「そんなこと…」


 なんか一人で落ち込んでるが、気にしてはいけない。無視だ。あいつは落ち込んでも、大抵の場合すぐ復活するからな。


「レッドドラゴンの肉はまだ残ってるのか?」

「はい。ございますよ?」

「なら、少しだけ家に届けておいてくれないか?みんなにも味わって欲しいしな」

「ご主人様があのような者達のことを気にする事はないと思うのですが…」

「あんなでも一応は家族だしな。それと、生存報告だ。もしかしたら心配…はしてないだろうが、それでも念の為だ」

「…分かりました。このあと届けておきますね」

「あぁ」


 あいつらの喜ぶ顔が目に浮かぶぜ!


「それで、養殖の話なんだが、本当にできるのか?」

「えぇ。ご主人様が望むのならお任せ下さい」


 いや、ちょっと待て、今俺の中で警笛がなっている。それは危険だと。本当にこいつに任せていいのか?それは世界崩壊に繋がるのではないか?


「…」

「…まぁ、お前のことだし、どうにかなるか」

「はい」


 不安は残ったままだが、このお肉には勝てなかった。



「それでは、早速このお肉をご自宅にお届けしたあと、養殖の準備をさせていただきます」

「ああ、よろしく頼んだ」

「では…」

「…また消えたよ。それも今回は暗闇に消えるような感じで…バリエーションまであるのかよ…」


 本当、こいつは俺を飽きさせないな。俺の手に余るままだ。

 知ってるか?俺は給料すら払ってねぇんだぜ?




「ただいま戻りました」

「おかえり〜というか、ここはお前の家だったな」

「いえ、私の家はご主人様の物なので、この家はご主人様のものでございます」

「なんだその暴論。それじゃ、この世界のメイドはブラック企業過ぎるだろ」


 この世からメイドが消えてしまうぞ?


「そんなことはありませんよ。自分が使っているものをご主人様も使っているんだ…そう考えるとご褒美にしか…」

「それでどうだった?養殖の準備はちゃんと終わったのか?」

「はい。滞りなく」

「そうか、それはよかった」


 うん?何かを聞き逃そうとしたって?はっ!気のせいだろ。


「それで、養殖ってどんな感じでやるんだ?」

「それでしたら私が今からお教え…」


 ドゴーン!


 うん?今外から大きな音がしたが…


「お前の仕業か?」

「滅相もございません。私がご主人様のお邪魔になるようなことをするはずが…」

「ねぇもんなぁ〜だってそれがお前だもんなぁ」

「分かっていただけたようで私は嬉しい限りでーー」

「ちょっと外を見てくるわ」

「それでしたら私が、ご主人様の手を煩わせること、あってはならないので…」


 ガチャ


「え?」


 俺はメイドの話を無視して外に出たが、外にいたのは今日みたレッドドラゴンの3倍ほどの大きさの黄金のドラゴンだった。


「嘘…だろ…!?」


 やばい!殺される!

 そう思ったのだが…


「頼む!ドラゴンの養殖なんて恐ろしいことは考え直してくれないか!」

「…………は?」

「そこをなんとか!」

「いや…なんでその事を知ってい…らっしゃるのですか?」

「なに?貴様が命令したのではないのだろう…う…か…」

「ご主人様に敬語を使わないとは…いい度胸をしていますね」

「っ!も、申し訳ない!どうか許してはくれないだろうか!?」

「謝る相手が違います。私にではなく、ご主人様に謝り下さい」

「申し訳なかった!この度の無礼を許して欲しい!」

「そ、そんな!頭を上げてください!」


 ドラゴンが頭を下げるなんて…というかその下げる勢いだけで吹き飛ばされそうだわ!


「シュザー、そんな勢いよく頭を下げればご主人様が吹き飛んでしまいます。そんなことも分からないのですか?それとも死にたいのですか?」


 やばい!このメイド!ドラゴンにそんなことを言うなんて!なのにどうしてドラゴンは言いなりになっているのだろうか?


「ち、違うのだ!本当にその事が分からなかっただけで!断じて、そんなつもりは!」

「…ならいいでしょう。次は無いですからね?」

「ははぁ…」



 俺、家帰って寝たい。

メイドですから、ドラゴンの知り合いでも仕方ないですよね!(洗脳済み)

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