表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

98/110

98章 戦況

アンドゥイ国国境、ドワーフ山脈の道。

ニバール国、ドワーフ山脈の道へと、戦況を見て回った。

 98章 戦況



 フェンリルは目についたドライアドを2人、無理やり連れてきて、ガドルの護衛だったグリフォンとハーピーたちの回復をしてもらった。 幸いな事にガドルとルーア以外の犠牲者はいなかった。


 彼らの回復をしてもらっている間に、フェンリルは魔法で石の(ひつぎ)を作り、ガドルを安置する。



「戦いが終わったら、ニバール国に連れて行ってやるから、しばらくここで辛抱してくれ」



 フェンリルは空に向かってウォォォォォ~~~ッ!! と、(とむら)いの遠吠えをした。






 戦いが終結するまでガドルの事は伏せてもらうようにお願いした。 混乱と、士気の低下をを防ぐためだ。





 ガドルが襲われた場所の少し先の三連山の北側は、虫がドワーフ山脈からアンドゥイ国に向かう時に通る場所でもある。


 回復したディームたち(グリフォン50、ハーピー500)は、その場所で虫が通るのを阻止してもらう事になった。



 ◇◇◇◇

 


 フェンリルはアンドゥイ国の国境に向かった。


 地を這う虫は到着していないが、思ったより多くの飛翔系の虫が国境内に入ろうと飛び回っている。


 弓兵隊が応戦しているが、動きが早くて当てるのに苦労している。 フィンが使っていたのと同じ大弓を使っているが、まだ練習不足のようで、一向に当たらない。



 エルフの弓矢は精霊が作るため、決して外さないし、矢が矢筒からなくなることはない。

 しかし人間はそうもいかない。 普段、目にする鳥などの動きとはまるで違うので、狙いを付けても、動きを予測するのさえむつかしい。



 フェンリルは炎魔法で、国境辺りにいる虫を一掃した。 国内にはまだ入り込んだ虫はいないらしい。


 それに途中でグリフォンたちが退治してくれる事になったので、この先は大丈夫だろう。



 フェンリルは「また様子を見に来る」と、言い残して飛び去った。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇



 アンドゥイ国側のドワーフ山脈の道の戦場は、どうにか耐えている。


 しかしもう直ぐ虫の後ろからついてきていた魔物たちが到着する。 そうなるとまた戦況は厳しくなるだろう。




 何人もガドルを知らないかと聞いてきた。 


 フェンリルが黙っていると、すこし前にガドルとルーアが危機を救ってくれた話を聞かされ、礼を言いたとみんなが言う。



 ······それで魔力を使い果たしてしまったのか······



 三連山の北側に虫が多いので、そこで戦っていると説明した。



 ······心苦しい······



 しかし彼がもう応援に来ないことが分かれば士気に関わるだろう。



 いたたまれなくて、ニバール国側の様子を見に行くと言ってその場を後にした。



   ◇◇◇◇◇◇◇◇



 ニバール国側の道は善戦している。 魔法チームが上手く連携を取り、全員が魔法切れでいなくなるような事がないようにしている。


 虫が押し寄せる数も減ってきたので、妖精たちも落ち着いて対処できている。






 ザラがいた。 交代で今から魔力回復に向かうそうだ。


「どうだ?」

「随分虫の数が減ってきたのはいいが、あそこを見てみな」

 

 心配していた魔物たちが迫ってきているのが見えた。



 恐ろしく巨大なサンドワームとその周りにワームが数体囲んでいる。


 サンドワームは水に弱く火に強い。 逆にワームは火に弱く水に強い。


 しかし、その対処法は練習した。 結界で囲んで個々に魔法を当てる。

 ただ思ったより数が多いので、魔力がもつかが心配だ。


 ほかにもガーゴイル(カラスの魔物)、サイクロプス(1つ目の巨人)、グール(屍食する魔物)が、ワームたちを取り囲むようにして迫ってきている。


 そこから少し遅れてレンドール国軍が続く。




 どちらにしてもドワーフ山脈に到着するまではもう暫くかかる。



 とりあえず今は大丈夫そうだ。





 

 風探索魔法でシークとレイの様子をうかがってみた。


 フェンリルには()えないほどの攻防が続いている。


 誰もがダメージを受けているが、ドゥーレクとジャークは、ケガをしているようだ。


『外したか······』


 魔法に中にルビナを紛らわせて攻撃する方法を考えたのはフェンリルだ。

 しかし、微妙な動きと結界の張り具合で狙いがずれる。 何度も練習したのだが、激しい戦いの中での調節は難しいと思われる。


 

『ドゥーレクとジャークにケガを負わせただけでも十分だろう」





 フェンリルはシークたちの方に視線を向けてから、次はニバール国の国境に向けて飛び立った。






とりあえずの危機は免れた。

しかし、まだまだ激しい戦いはは続く!

(|| ゜Д゜)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ