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97章 天龍黒龍の戦い

ドゥーレクとジャークの攻撃は、俺とレイの結界を消していく!

 97章 天龍黒龍の戦い




 少し前に戻る。 ドゥーレク、ジャークとの戦い。



  ◇◇◇◇



 ドゥーレクは嬉しそうに両手を広げる。


「さぁ!! それでは、世界をかけた戦いを始めましょう!!」



 レイがジャークと共に高く飛び上がった途端、黒雷魔法が俺に向かって放たれた。 黒い稲妻がいくつも俺に向かって放たれる。


 急いで避けたが間に合わずに結界が一つ消えた。


 ドゥーレクは間髪入れずに次々と魔法を放ってくる。 当然俺の結界を消すためだ。

 しかし、逃げてばかりではない。 黒雷には黒雷を、黒炎には黒炎放って魔法を打ち消す。


 花火のように、空一面で幾つもの爆発が立て続けに起こり、その隙間を縫って加速魔法で逃げ回った。


 俺とドゥーレクの攻撃力はほぼ同等だ。 しかし、多重結界で守られている奴に比べて、結界を消されて白魔法結界のみに守られている俺は、攻撃の直撃だけは避けなければ危険だ。


 レイが白魔法衣で強化してくれたので、どうにか耐える事ができるが、完全にダメージを防ぐ事はできない。


 それがわかっているドゥーレクは、矢継ぎ早に色んな方向から魔法を放ってくる。


 どうやらフェンリルの追跡魔法を見て学んだようだ。 逃げても魔法が追ってくる。 関係ない方に放ったように見えた魔法が、時間差を置いて別方向から襲ってくるのだ。


 俺は苦戦を強いられた。



  ◇◇◇◇



 レイはジャークと共に高く飛び上がった。


 フェンリルのように鋼装甲を出す。 体全体を薄い膜のように鋼装甲が(おお)い、爪は剣のように鋭く、頭部も鋼装甲で覆った。


 しかし、それが今度は真っ白に変わっていき、赤い魔法防御ラインが描かれていった。


 白魔法装甲だ。 他の魔法の結界は消されてしまう。 唯一対抗できる白魔法を有効に使うのだ。


挿絵(By みてみん)


 ドゥーレク同様、ジャークも立て続けに魔法を放ってくる。

 レイも魔法をぶつけて打ち消していくが、やはり防戦一方だった。




 とうとうレイも白魔法以外の結界は消されてしまった。


 白装甲で強化をしたので、どうにか耐える事は出来るがレイもダメージが溜まっていく。



  ◇◇◇◇



 俺は攻防の間、ある機会をうかがっていた。


 レイとジャークが放った魔法がたまに近くをかすめる。


 俺を狙っているわけではないのだが、当たりそうになることもあるし、もちろんドゥーレクのすぐ近くをかすめる事もある。


 奴は結界があるので当たっても傷つくことはないが、一瞬()がそれるのだ。 俺はその時を待っていた。





 その機会が来た! 


 上から放たれた黒炎魔法がドゥーレクの直ぐ近くをかすめた。 それにタイミングを合わせて爆炎魔法を俺の手元から放った。


 爆炎魔法は当然結界で阻まれるのだが、その結界を通過して何か輝くものがドゥーレクの肩に突き刺さった。


「グワッ!」


 ドゥーレクが肩を押さえて(うめ)いた。 そこから赤い血が吹き出す。



 実は爆炎魔法に紛らせて、()()()の剣を放ったのだ。


 ()()()とは鋼をさらに硬くしていくと美しく輝く赤い鉱石になる。

 それをもっと硬くすると透明になるのだが、そうなると炎で燃えやすくなるし、角度を変えると砕け散ってしまう事がある。 しかし、この赤く輝くルビナなら砕ける事もなく物質防御結界をも通過する。


 ただし、物質防御結界を()()結界にされると通過出来なくなる事が実験で分かっていた。


 今は離れた位置からの魔法攻撃が主なので、物質防御結界は張っていたとしても、()()結界までは張っていないはずだ。 

 しかし、ルビナの存在を知られると物質多重結界を張られてしまう。 だからチャンスは一度だけだった。



 もちろんドゥーレクの心臓を狙ったのだが、結界を通過する際に、軌道がずれてしまったのだろう。 残念ながら失敗に終わってしまった。


 思った通り、その後は物質防御結界の多重結界を張られたのでルビナが結界を通過することが出来ず、ドゥーレクも左肩を押さえながらも攻撃してくる。



  ◇◇◇◇



 ドゥーレクが左肩を射抜かれた時、一瞬ジャークの気がそれた。


 レイはその期を見逃さず、頭の装甲にフェンリルのようなルビナの角を生やし、頭からジャークに突進して鳩尾(みぞおち)を突き刺した。



 ドラゴンの鳩尾辺りには竜生神と(つな)がる(かく)がある。 ドラゴンを殺そうと思うなら、竜生神を殺す以外には、その核を壊さないといけないのだ。


 しかし、レイも位置をずらされて致命傷を負わす事が出来なかった。 それどころか至近距離で黒雷魔法を撃たれてしまい、ドドドドドッ!と、地面に叩きつけられた。



  ◇◇◇◇



 地面に叩きつけられる直前に「大丈夫! 専念して!」というレイの声が聞こえた。

 レイに気を取られて俺がドゥーレクに攻められることを恐れたのだろう。 


 光魔法なら多重結界を張っていても少しずつ通過してダメージを与えることができることが分かった。 ドゥーレクが傷ついている今、加速魔法を駆使して立て続けに光魔法を放つ。




 地面に叩きつけられたレイも、起き上がりざま光魔法で攻撃を続ける。


 しかし致命傷を逃れたジャークも傷つきながら反撃をしてくる。





 俺もレイも、ドゥーレクとジャークも、少しずつダメージを蓄積させながら、戦い続けた。






少しずつダメージを蓄積しながら、戦いは続く!!

!!ヽ(゜д゜ヽ)(ノ゜д゜)ノ!!

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