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83章 新たな竜生神

突然会議中に、訪問者があった。

 83章 新たな竜生神



 その時、ノックがあり、一人の兵士が小走りに俺の所に走った来た。


「シーク様。 来客です」

「今ですか?」

「それが······ドラゴンを連れていると言っていまして」

「ドラゴンを?!」


 思わずガドルと目を合わす。


「スタンリーの弟だと言えばわかると······」

「あっ! 急いで通して下さい!」




 急いで出て行った兵士は、すぐに真っ赤な髪をした男を連れてきた。

 スタンリー兄弟の弟だ。 彼の名前は確かザクト。



 ザクトはドアが開かれると、固まったように立ち止まり、いきなりひれ伏した。


「と······突然の訪問をお許しください。 この(たび)······りゅ···竜生神となり、少しでもお役に立ちたいと思って、急ぎ参上しました!」


 俺はザクトの元に走り寄って抱き起し、小声で話しかける。


「そんなに卑屈にならくても大丈夫ですよ。 堂々としていてください」

「し···しかし、凄い御方(おかた)ばかりで、国王様もいらっしゃるし······見た事のない種族の方々もいらっしゃるし······俺······」



 そりゃあグリフォンやハーピーを始めて間近で見ると、()()だろうな。 オーガは動物の姿に変身した姿でよかった。



「ドラゴンは?」

「ここに」


 肩の上にポンと赤い体に翼が水色のドラゴンが現われた


「アセンです」


挿絵(By みてみん)


 俺はザクトをみんなの前に連れて行く。


「ニバール国のザクト・スタンリーさんです。 ドラゴンはアセン。 この時期に竜生神が増えて、心強い限りです」


 みんなも拍手で迎えてくれた。


「では···」ガドルが話す「()()がアンドゥイ国側に行きましょうかのう。 それでどうですかのうファンググ将軍。 年寄りじゃ不安ですかのう?」

「と···とんでもございません! ガドル殿に来ていただけるとは、心強いです」



 という事で、魔法チームは決まった。



「先に説明したように、魔法チームは少しでも魔法の温存のためにグリフォンに乗ってもらい、グリフォンとハーピーは魔法チームとドラゴンを護ってください。 アニエッタさんが三連山の真ん中にあるオーガの里にいますので、魔力が枯渇する前に、魔力回復に向かうのを忘れないように」


 緊張気味のアニエッタに目配せをしてニッコリと笑うと、アニエッタも笑顔を返してくれた。





 その後、話し合いの末、残る兵の配置が決まった。


 まず、人間の兵は、各2万ずつ自国国境に配置。


 ニバール国もアンドゥイ国も、俺とレイの加護が効いているようで、団体で攻撃されると突破される可能性があるが、そうでない限り国内に入れないようだ。 そのため、弓兵部隊を中心に、先走って飛んでくる虫を、国境間際で迎え撃つ。


 どちらの国も傭兵部隊はここに配置される。


 そして残るニバール国の約3万の兵と、アンドゥイ国と西側諸国の約3万ずつの兵は、それぞれの山脈の道の前に配置。




 回復役のドライアドと、エルフ3万とオーガ1万、グリフォン5百とハーピー5千は、それぞれ半数ずつに分かれる。


 アンドゥイ国側にホブゴブリン、ゴブリンキング2千、ゴーレム部隊2百、トロール2百。

 ニバール国側にドワーフ5千、トレント百。



 こうやって見ると、笑えるほど少ない。 それぞれ百万の巨大昆虫に、これだけの数で挑もうとするのは無謀としか思えない。




 ただ幸運(?)なのは、レンドール国の竜生神がドゥーレクを除くと2人。 すなわちコーマンとドルフだけのようだ。 そのうちドルフは捕まっているので、コーマンだけという事になる。 魔法攻撃は大きな被害がでる。 その確率が減っただけでも助かるというものだ。




「ドゥーレクがいつ現れるかは分かりません。 それまでにできる限り巨大昆虫を排除しようとは思っていますが、しかしこの戦いは皆さんの魔法攻撃で初めにどれだけ敵の数を減らせるかにかかっています。 特にマリナさんの水魔法は火と雷との連携で威力が数倍に上がります。 練習通りに頑張ってください」



 高温の炎に水がかかると大きな爆発が起きる。 また、水がかかった場所に雷を落とすと、水を通って雷が流れる。 これはドゥーレクに教えてもらった。 魔力が限られている彼らの魔法攻撃を、少しでも有効に使うためだ。


「は······はい!」かなり緊張した様子だが、すでに100歳は越えているらしい(見た目は20歳だが)話によると度胸もいいという事なので、心配ないだろう。



「ザクトさんは練習する時間が数日しかないが、貴重な水魔法を持っています。 ザラ先生とガドル先生にしっかりと教えてもらってください」

「はい!!」



「それと、グリフォンとハーピーは、最優先で魔法を使える者とドラゴンを護ってください。 特に、魔力切れの時が危険です。 くれぐれもよろしくお願いします」



「うん! 任せとけって! すでに打ち合わせは終わっているから安心しろ」と、グリフォンのディーム。

「命に代えても」とハーピーのキュピクル。 




「みなさんも、私とレイが必ず黒龍とドゥーレクを倒しますので、それまで何があっても耐えて下さい。 よろしくお願いします」







スタンリー兄弟の一人が竜生神になったのですね!

竜生神が1人増えるだけで、大きな力になる!

( ̄ー ̄)b

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