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73章 ドゥーレクと巨大昆虫

レンドール国の回りにいる巨大昆虫のせいで、迷惑している!

どうにかならないとかとジャークに聞くと、それは自分たちのせいだという答えが返ってきた。

 73章 ドゥーレクと巨大昆虫



 そうして準備が整い、エグソン国に攻め入ろうという前日、事前に潜ませていた巨大昆虫たちにエグソン国を襲わせた。


 数十万の軍が蹴散らされ、あっという間にエグソン国内に攻め込んだ。


 私はジャークと空から見ていたが、巨大昆虫に襲われた町が簡単に壊れていき、人間が倒れていく。



 巨大化した昆虫の威力は凄い。 空を飛べる昆虫はもちろん、空を飛べなくても城壁などスルスルと登っていく。 スピードも速い。 弓矢など多少刺さっても気にもしていない。 大きな口と、鋭い爪に毒針を持つ虫も多い。


 恐ろしく性能が高かった。



 ほくそ笑みながら見ていた時、どこかで爆発が起きた。



 魔法だ! 炎魔法と雷魔法だ。



 きっとこの国の竜生神だろう、二手で攻撃が始まった。 どんどん昆虫たちが倒され燃やされていく。 このままではやられてしまう。


 炎を持つ竜生神にはギリムを向かわせ、雷を持つ竜生神には私が向かった。 



 黄色いドラゴンがこちらに向かってくるが、ジャークの敵ではなかった。 そして、竜生神も私の敵ではなかった。



 一瞬で勝負は決まった。 



 遠くでギリムが戦っているが押しているので心配はないだろう。



 この国のドラゴンを倒したついでに爆炎魔法を町に落としてみる。

 

 花火のように美しい爆発と真っ黒い煙が巻き上がり、町の住人たちが逃げ惑う。

 そして蜘蛛の子を散らすように建物から逃げ出した人間たちに巨大昆虫たちが群がる。



 街への攻撃がこんなに楽しいとは思わなかった。



 建物が崩れて下敷きになっていく。 巨大昆虫に襲われて人々が叫び、逃げ惑い、無残に食いちぎられていく。




 こんな痛快な事があるのだろうか! 




 もっと壊して回っていたいが、そろそろ城に戻らないといけない。





 城に戻ると、すでにみんなは知っていた。


「ドゥーレク様! エグソン国が巨大昆虫に襲撃されたもようです」


 このところ、レンドール国周辺に現れる巨大昆虫に悩まされていたが、それが大挙してエグソン国を襲ったという。 次はこの国ではないかと恐れていたようだが、私の一言でみんなは納得し安堵した。



「黒龍様が巨大昆虫を操る魔法を習得した」


 エグソン国を巨大昆虫に襲わせたこともその一言で納得したのだ。 



 すぐにエグソン国に軍隊を向かわせると、簡単に無条件降伏をしてきた。




 国ってこんなに簡単に破壊できるんだ。 国ってこんなに簡単に手に入るものなんだ。

 エグソン国の北側と東側には、まだまだ多くの国がある。 また潰せる。 また破壊できる。


 考えるだけで心が(おど)る。


 


 ジャークにはまた巨大昆虫を増やしてもらい、何種類かの魔物も仲間に取り込んだ(操った)



 ◇◇◇◇◇◇◇◇



 そんな時にマージェイン王子にかけていた黙秘魔法が解除され、厄介なことに天龍を生んだという報告が来た。


 ギリムと、保険としてもう一人の竜生神をニバール国に送ったが、ことごとく失敗に終わった。

 天龍相手に勝てるとは思っていない。 運がよければと思っていたが、やはり無理だった。


 ギリムは一度捕まったらしいが、ドラゴンのザタンの手助けで何とかして私の所まで戻ってきたので、マージェインに掛けられたという呪文封じ魔法を解除してやった。



 ◇◇◇◇



 どちらにしてもニバール国ごと潰すのだから、天龍を倒すのはその時にしよう。


 もう今更急いでも仕方がない。 


 国を率いるというのは大変だ。 エグソン国を攻め落とした後処理も大変だ。 バカなおっさんたちだけでは話しが進まない。 




 私がいなくては······私が指示してやらなくては何も出来ないのだから······




 前回エグソン国を襲撃した時以来、ジャークの魔力が上がったようで、今までの倍以上のスピードで巨大昆虫を作っている。 だがまだ足りない。 もっと多くの巨大昆虫を作り出さなければ。



 魔物ももっと集めなければ。



 忙しい合間を縫って魔物を探し出し、仲間にして(操って)いく。




 ガーゴイル(カラスの魔物)、サイクロプス(1つ目の巨人)、グール(屍食する魔物)、ワームと、サンドワームが仲間になった。







とうとう世界の破壊が始まった!

( ̄□||||!!

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