71章 ドゥーレクと弟
自分の意のままに動く手下が欲しい。 術をかけて何人かの手下ができた。
しかし、私には人竜族の手駒がいるのだ!
71章 ドゥーレクと弟
それから私は最善の方法を考えることに専念した。
先ず、自分の言いなりになる者を各所に置いた。
私兵も欲しい。 数人に術をかけて自分の手駒にした。
私には竜生神の手駒が一人いる。
実は、私は人を使って母の行方を捜していた。 数年前に見つけたのだが、どうも弟がいるらしい。
手の者に弟の事も調べさせた。
人竜族なのは確かだろうが、竜生神になれるかは神のみぞ知る。
相変わらず母は子供の世話をする気がない。 すでに進化が始まっている弟を私は迎え入れた。
彼は悲惨な生活を送っていたようなので、私が面倒を見ると言えばきっと恩に着るだろう。 弟だと言えば増長するかもしれないので黙っておこうと決めた。 どちらにしても馴れ合う気はない。
案の定、私に恩を感じてよく働く。 先に進化が始まって諦めていたのに、ドラゴンも生んだ。 黄色、茶色、緑色のドラゴンだ。 さすが私の弟、3属性のドラゴンを生むとはなかなかの奴だ。
魔法の使い方を教えてやった。
武術やも直々に教えてやった。
さすが、私の弟のギリム。 物覚えがよく、めきめきと上達していった。
◇◇◇◇
手駒が増えると、次は国王問題だ。
私はいろいろ考えた。
国王にマインドコントロールが効かないのならば、私の言いなりになる新しい国王を立てればいい。
マージェイン王子はまだ15歳で、優しい······と言えば聞こえがいいが、優柔不断で意思が弱い。
彼も王族のせいか補助魔法が効かないが、少し躾ければすぐに言いなりになるだろう。 その時に恩を着せながら王座に座らせればいい。
もちろん実権は私が握る。 バカな······いや······まだ若いマージェイン様に政治など分かるわけがない。
あとは国王と王妃の排除の仕方だが、昔読んだ文献に、ある木の実の汁を混ぜ込んだ塗料で壺を焼くと、長い時間をかけて有害物質が溶け出し、一年ほどで死に至らしめるものがあるとあった。
それは毒の検出はできないし、国王と王妃が使う同じ壺から他の者が水を使うことはない。
私は壺が古くなったのを理由に、新しい水壺を作らせた。 もちろん少し細工をさせた水壺だ。
そしてそれを使わせることに成功した。
後は待つだけだ。
さっさと殺してしまってもいいのだが、城にいる者全員の記憶操作は面倒だ。 一人でも記憶を操っていないものがいるとまずい事になる。 何かがあって少しでも私に嫌疑がかかると、この先の支障になると考えたので、焦らずにいこうと決めた。
まぁ、ゆっくりと待つのも楽しい。
少しずつ体が弱っていく国王と王妃の健康の心配を大仰にすることで、私の信頼も得られる。
◇◇◇◇
やっと王妃が死んだ。
私は誠心誠意、悲しみに暮れるマージェイン王子をお慰めする。
しかし、王妃が死んだ頃から「毒殺説」「陰謀説」が、まことしやかに聞こえてきた。
噂の出所がわからないのでマインドコントロールもできない。
それなら······「毒殺説」も「陰謀説」も、調べられる前にもう一人の原因に死んでもらえばいい。
いつまでも苦しむ国王をマージェイン王子に殺してもらう。
王座が手に入るのだ。 親を亡くしてしばらくは辛いだろうが問題ないだろう。
それでもすぐには言うことを聞かないだろうから、しばらく人目につかないところに閉じこもってもらって、大人しくなったところで私とともに公の場に出る。
肩にブラックドラゴンを乗せて!······完璧だ!
もしもマージェイン王子が進化してしまって髪の色が変わってしまった時にはいい考えがある。
たくさんの黒髪を集めて上から被せるのだ。 色が変わった髪は短く剃ってしまえばわからないだろう。
やはり私は天才だ。
やはりブラックドラゴンは印象が悪いが、国王が生んだとなると話は違う。 この国のためにブラックドラゴンの力を使うのだ。 ならば誰も文句は言わないだろう。
◇◇◇◇
計画通り国王は、自分の息子に殺されるという悲惨な最期だったが、とても苦しんでいる国王様のためを思ってしたことだ。
マージェイン王子の御心もどれだけお辛いかと私が家臣たちを説得したお陰もあって、大きな混乱にはならずに済んだ。
そして父王の死を悼むマージェイン王子は、離れに籠ってしまって、臣下に顔を見せなくなってしまった。
めでたしめでたし············
ギリム(コーマン)は、ドゥーレクの弟だったのですね!!
( ̄□||||!!




