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25章 結界魔法

結界魔法といっても、色々あるのを教えてもらう。


25章 結界魔法




 食事が終わってフェンリルも連れて、闘技場に行くとガドル、ホグス、ザラと共にアージェスも来ていた。


「お願いします! 先生!」


 やはり教えてもらうからには、先生と呼ばないと!


 先生方に頭を下げたが、みんなが俺の後ろに視線を向けている。


「シーク殿。 見学者を連れてこられたのですかな?」

「見学者?」


 振り返ると、マルケス、スーガ、フィンが入り口からこっそりのぞいていた。



「············」



 あそこで黙ったのは、こういう魂胆だったのか······



「そうじゃな···傭兵の底上げをするのも悪くないじゃろう」


 そう小声で言って、マルケスたちに手招きする。


 マルケスたちは怖々(おずおず)と近づいて来てガドルの前で申し訳なさそうに並んで立った。


「のぞき見とは感心しませんな」


 ガドルがヒゲをさすりながら、一人一人の顔を見つめる。

 すると、マルケス、スーガ、フィンがいきなり頭を下げた。


「俺たちにも教えてください!! お願いします!!」


 ガドルたちは顔を見合わせ、ニンマリと笑う。


「構わんが、厳しいですぞ」

「望むところです!!」

「わかりました、 では、アージェス。 彼らの指導をしてやってくれませんかのう」

「わかったわ。 こっちにおいで」

「「「はい! 先生!」」」


 アージェスはマルケスたちと舞台の下のスペースに向かう。 幅5メルクほどの舞台と観客席の間にある砂地に飛び降り、マルケスたちも降りて行った。



「ではザラはフェンリル殿を頼みます」

「了解! フェンリル様、こちらへ」


 ザラは舞台の端の方にフェンリルを連れて行く。





「さて、レイ殿。 先ずはシーク殿が物質系の結界を扱えるようにしていただけますかな」

「物質系? わかった············いいよ」

「これで物質系の結界を張れるようになったはずです。 やってみて下さい」

『結界』「これでいいと思うのですが」


「結界を張れたようですな。 大丈夫なのでじっとしていてくれますかな? ではホグス」

「はい」


 ホグスが木刀で俺に打ち込む。 俺は思わず頭を手でガードしたてしまったが、もちろん俺に届くはずはなく、少し先で弾かれた。


「わぁ! できた」


 ガドルは満足そうに笑う。


「ではシーク殿、次は剣で受けて下され」

「はい」


 再び木刀が飛んできたので剣で受けようとしたが、少し手前で何かに阻まれて剣が振れない。


「あれ?」


「ふむ。 結界は護る者全体を覆う結界と、部分的に覆う結界がありますのじゃ。

 複数の人や物を護る時には大きな結界を張る必要がありますが、そうでない場合は逆に結界が邪魔をしてこちらからの攻撃ができないという事になりますのじゃな。

 結界は護るが、こちらも攻撃が出来んという事じゃ」


「結界って、面倒なのですね」

「ふむ。 では結界を自分の体の表面に張ってみてくだされ」


「自分の体の表面? できるかなぁ·········」

「レイ殿、手伝ってやってもらえませんかのう?」

「わかった。 こうかな?」


 なんだか体をゾワッと何かが這っていく感触があった。


「ホグス」


ホグスはうなずき、一歩前に出る。


「結界が張れていれば痛くないはずだから動くなよ」

「はい」


 そんな事言われても、怖いから目を閉じた。 痛くないことを願って。


 ゴン!!


 痛くない!! 確かに衝撃はあったが、全然痛くなかった。


「痛くないです!」

「フォフォフォ。 出来たようじゃな。 一度解除して今度は自分で張ってみなされ」

『解除』『結界』


 ゾワッとした感覚があった。


「できました!」

「そうですか。 さすがですな。 その結界は必要に応じて、移動することも可能なはずですのじゃ。 例えば、腕だけとか、頭だけとか」

「へぇ~~」

「それはまた、練習しておいて下され」

「はい!」


 おもしろい!



「今のは物質系じゃが、魔法の結界も覚えてもらわんといけませんのう。 レイ殿、魔法結界と、火、水、土、風、雷それぞれの結界をお願いします」


「わかった············できたよ。 でも、雷はシークがまだ覚えていないからできなかった」

「そうでしたな。 ではシーク殿に雷魔法とその結界をお願いします」

「わかった············できた」


「どうですかなシーク殿、結界が張れそうですかな? やってみて下され」

「多分できたと思います」

「では一度、解除してもらえますかな?」

「はい」『解除』


「手を······」


 ガドルは握手を求めてきた。 首をひねりながら握手をした途端、ビリビリ!! と、痛みが走り、思わず手を振り解く。


「いって~~~っ!!」


 脳天まで痛みが走った。

 俺は痛む腕を振った後、その手をお腹に抱え込んで、痛みに耐える。


「フォフォフォ。 すみませんのう。 雷とは、空から落ちてくる稲妻のような物ばかりではなく、このような小さな雷もありますのじゃ」

「先に言ってくださいよ·····いって~~っ」


「フォフォフォ。 では先程レイ殿に加護を与えてもらった雷の結界を手に張ってみて下され」


 俺は手に集中する。 肘から上辺りにゾワッとする感覚があった。


「できました」

「では······」


 ガドルはまた手を出してきた。 結界を張っているから大丈夫なのだろうけど、さっきの痛みを思い出して、ちょっと怖い。


 俺は恐る恐る手を出して、ガドルの手に触れた。


「痛くないです! ガドルさん、雷を出していますか?」

「もちろんですじゃ。 何なら結界を解いてみますかな?」


 俺はあわてて手を放した。


「いいえ、結構です」


「フォフォフォ。 しかし、さすがですな。 全て一度でマスターしてしまわれるとは」

 


 お褒めの言葉は嬉しいが、レイのおかげだ。 後でいっぱい褒めてあげよう。



「本来魔法結界だけでも大抵の魔法は防げますが、強力な魔法では破られてしまう事もあるのじゃ。

 これらの結界をまとめて、又はいくつかの結界を同時に出すのを多重結界と申しますのじゃが、多重結界の方が強力な結界ができますのじゃ。

 ただ普通は魔法力に限界があり、むやみに魔法を使うと魔力が切れて、回復するまで時を要するので、そうそう多重結界を連続する事は出来ないのじゃが、レインボードラゴンの場合、魔力は無限とも言われておりますので心配ないと思われます。

 しかし、むやみに使いすぎないように心しておかれた方が良いじゃろう」


「わかりました」



「次に回復魔法じゃが、レイ殿、頼みます」

「わかった······できた」

「では、試してみますかな?」


 ガドルはニヤリと笑う。

 フェンリルとザラも、とりあえずの授業を終えて、俺の元に来ている。



 試すったって···誰もケガをしていないし······と思ったが、ガドルの視線の先ではマルケスたちがボロボロになって倒れていて、アージェスが高笑いしていた。


 彼らの事をすっかり忘れていた。 アージェスに思いっきりしごかれたようだ。



 あの人は手加減を知らないのか?



 マルケスたちのところに走っていった。


「大丈夫ですか?」

 

 フィンは気を失っていて、体中傷だらけだ。

 手をかざして『回復』と唱えると、見る間にキズが回復していき、意識も戻った。


 マルケスも辛うじて意識はあるがボロボロだ。 スーガだけは上半身までは起こせているが、もう立ち上がれないと言っている。 しかし、三人とも俺の回復魔法であっという間に元気になった。



 わお! 水魔法より凄い!



 回復してもらった3人は、体を動かして確認するが、どこも痛みがないようだ。


「シーク! お前凄いな! あっという間に完全回復したぞ!」

「元気になったか? それじゃぁ2ラウンドといくか!」


 アージェスはとても楽しそうに、大剣を肩に抱えて舌なめずりをする。

 それを聞いてマルケスたちは後ずさった。


「フォフォフォ。 アージェス、今日はそれ位にしておきましょう。 どうじゃったかな? マルケス殿? 明日もまたやりますかな?」


 マルケスたちは顔を見合わせ、うなずき合った。


「「「お願いします!」」」


 三人は90度に頭を下げる。



 あれだけコテンパンにされたのに、続けるんだ。 そこはさすがと思った。



「ハハハハハ、明日からはもっとしごいてやるから覚悟しておけよ」


 アージェスは嬉しそうに言うが、三人の顔が引きつっていた。




「フォフォフォ。 では、明日も昼食後にここに来て下され。 シーク殿は···」


 ガドルは長いヒゲを揺らして俺に向き直る。


「朝食後にお邪魔しますがいいですかな?」

「お待ちしています、先生」


 俺も深く頭を下げた。



 4人の先生たちが帰っていく後ろ姿を俺たちは見送った。






普通の回復魔法の方が、数段効き目が高そうですね

(*´・ω・`)b

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