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最終章 前編

今日は俺とアニエッタの結婚式だ!!

みんなが御祝いに駆けつけた。

 最終章 前編



 ――― 3年後 ―――



 今日は俺とアニエッタの結婚式だ。




 昨年、俺は戴冠式も終わってレンドール国王になった。 


 その後、アニエッタをレンドール国に招待して臣下に紹介したのだが、アニエッタの両親に挨拶に行った時より緊張した。



 もっと反対にあうかと思ったのだが、それどころか大賛成だった。 

 それというのも、アニエッタはニバール国の王族だったのだ。



 知らなかった·········



 ガドルの妻が当時の国王の姉で、そのうえアニエッタの母方の祖母も王族だった。

 頭が上がらないニバール国と縁戚関係になれると臣下たちは喜んでいた。



 実は俺に想い人がいる事を知った臣下たちがこっそり調べていたのだった。




   ◇◇◇◇



 今日は天気も良く柔らかい日差しが差し込む気持ちがいい日だ。

 最近公務にも少し余裕ができて、臣下たちがアニエッタの両親と勝手に日取りを決めてきた。 


 まぁ、俺は早ければ早い方がいいので、異論などあるわけがないけど······



   ◇◇◇◇


 

 俺は襟だけが銀色の真っ白なタキシードを着て、新郎控室の大きなソファーに座っていた。



 オベロンとグノームが入ってきた。 後ろからついてきたのはゴブリンキングのゴブブに、ドワーフのゴドドと······マララ?


 ゴブブたちは遠慮して部屋の隅にかしこまっているのだが、マララはヒゲを剃って、髪を結いあげ、可愛らしいクリーム色のロングドレスを着ている。


 どこから見ても立派な女性だ!


 俺がマララに向かって親指を立てて見せると、嬉しそうにスカートをつまみ上げてお辞儀をしてみせた。



 オベロンとグノームは、相変わらず我先(われさき)に祝辞を述べた後、グノームが「ささやかな贈り物です」と、美しい小箱を差し出す。


 開けてみると、琥珀色の[グノーム召喚の珠]が付いた、プラチナ色のキラキラ輝いたブレスレットが入っていた。 以前の戦いで腕ごと失くしてしまった物だ。

 前は革紐のようなものに付いていたが、今度のブレスレットは高級感漂う美しいチェーンに付いている。


 オベロンがまた悔しがって「今度、そんなものより美しいペンダントにして送らせていただきます」と、意気込んでいた。



   ◇◇◇◇



 オーガのグレンとラズクが来た。


 しかし、何か雰囲気が違う。


「······グレンとラズク······だよな?」

「そうです。 この(たび)はおめでとうございます」


 二人は礼儀正しく深く頭を下げる。


 よく見ると(つの)があるが、元々はもっと大きいはずなのに2メルクほどの身長の美しい美男子に縮んでいる。 鷲や狼にもなれるのに、()()()()()()もできるのか・・・・

 

 見事なプロポーションでキリリとした礼服を着こなす姿は、男の俺でも見とれてしまう。



「わぁ······見間違えたぞ。 人間の服装もなかなかなものだな」



 ハハハハハ!と、グレンが複雑な表情で笑う。


「人間とは窮屈(きゅうくつ)なものを着ないといけないのが気の毒だな。 早く脱ぎたいぞ!」


 襟をヒラヒラさせて見せる。


「グレン様、破かないでくださいよ。 試着の時に2着もダメにしたのですから」

「ふむ。 心がける」


 ははは! 困ったものだと、俺は苦笑いでやり過ごした。





 そこにエルフのライラが見た事のない長身の男性と入ってきた。 ライラは俺と同じくらいの身長があるが、それより少し高くてその男も2メルクほどはある。


 シンプルなシルバーの礼服に、美しいシルバーの長い髪を後ろで無造作にくくり、キリリとした少し太めの眉が男らしさを際立たせるとても美しい男性だ。 グレンたちが()()()程の美男子だ。


 ライラの目がハート型になっている。 フェンリル以外にも好きな人がいるのか。


 そりゃそうだ。 狼に惚れる方がおかしい。



 ――― しかし、だれだ?······どこかで見た事があるような ―――



 レイが「あっ!」と言って飛んで行ってその男の肩にとまり、嬉しそうに話している。



 ――― レイの知り合い? ―――



 その男はチラチラ俺を見ながら、グレンやラズクとも親し気に話している。



 その男はニタニタ笑いながら俺に近づいてきた。


馬子(まご)にも衣裳だな」


 その声を聞いて誰だか分かった!!


「あっ?! フェンリル!! お前!······」


 ライラの目がハート型になっているはずだ。


「お前、人型になれるとは聞いていなかったぞ!!」

「言ってなかったからな」

「霊獣というのは、みんな人型になれるものなのか?」

「ほとんどいないな。 だから(われ)は特別だといっているであろう。 ガハハハハ!」


 両手を腰に当て、大きな口を開けて笑う。



 だから笑い方が下品なんだよ!



「じゃあ、式場で待っているからな」


 結局、お祝いの言葉もないまま、サッサと控室から出て行った。

 


挿絵(By みてみん)


フェンリルって!!

(///ω///)♪



霊獣フェンリルのイラストは、漫画家の宗美智子さんに線画を描いてもらいました!

実は、私の姉です(*´σー`)エヘヘ


色塗りは、娘がしてくれました!!( ´∀` )b


自分では描けないので、家族にお願いしています!


( =^ω^)


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