第十三話 『私は変なのでしょうか』
私の名前はサイベール・環奈。中学三年生。
日本とロシアのハーフで、何不自由なく生活しています。
というか不自由なさ過ぎて、逆に不自由と感じることも多々あります。
お母さまはロシア人の女優、お父様が日本人の男優で、どちらも有名な俳優さんらしいです。
らしいというのも、私はお母さまとお父様の出演した作品を一つも観たことがないからです。
そして、そんな間から生まれた私は、お母さまに色々な習い事を強制されて……。
だから、子供のころから自由は少なかったです。
そして、そんな普通と違う私は小学校のころから浮かれた存在でした。
髪の毛は金色で、肌も白い。
ですが小学校生活は特に問題もなく、お友達もできて楽しかったのですが、問題は中学に入ってからです。
もともと人見知りな私は自分から話すことができなく、ずっと誰かが話しかけてくるのを待ってました。
入学して何週間かしても誰も話しかけてこなかったので、意を決して自分から話しかけることにしました。
しかし、「あんたとは関わりづらそう」と言われ、何度話しかけてもみんな私から避けていきます。
私だってみんなと違うことくらい理解しているんです。
なのにあんまりです……。
そして話しかけた数日後から私の陰口がちらほら聞こえるようになりました。
その中で一番傷ついたのが「どうせあいつ毎日高級なご飯食べてるのに胸は小さいなんて(笑)」と言われたことです。
確かにクラスの女の子見てもみんなおっぱいは大きいです。
もちろん小学生以上における巨乳化問題は私も知っています。
ですが、そんな理不尽なことあっていいのでしょうか。
それから私は中学三年になった今でも友達と呼べる存在はいません。
家に帰っては習い事や家庭教師が来て勉強。
「私は変なのでしょうか」
一人呟いてみます。
いっそお前は変だ。一般人とは違うって言ってくれた方が気が楽です。
「変じゃねぇよ」
はっと顔を上げるとそこには__
「さっきの……」
私の言葉を否定してくれた王子様がいました。
お久しぶりです。
投稿していないのに感想ブクマ評価ありがとうございます。