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情けは人の為ならず

作者: 井上 マコト

初投稿です。登場する2人の性別について言及することはあえてしませんでした。これからも不定期で投稿すると思うのでよろしくお願いします。

突然だが、私にはずっと思いを寄せている幼なじみがいる。だが、二人でいるのがあまりにも日常になっているためその思いの丈を伝えることはまだ出来ていない。


そんなふうに惰性的な時間を楽しんでいたある日、その幼なじみから相談を受けた。私が助言をすれば、この関係が緩やかではあるが壊れてしまうのを薄々わかっていた。


しかし、正直な自分をぶつけることはどうしてもできなかった。口では適格であると考えられる助言をしながら、頭の中では動揺や嫉妬、羨望といった様々な感情で滅茶苦茶になった理屈で自分で自分を納得させようとしていた。


別れ際、感謝の言葉を貰ったが喜ぶことはできなかった。自分にとっての日常は、私が愛したあの人にとっては誰かを愛することによって日常ではなくなっていたのかもしれない。そう思うと、いかに自分が幸せであったか、いかになにもしてこなかったを自覚すると同時に、上手くいかなければいいという黒い感情がゆっくりと広がってきていた。


好きな人には幸せになって欲しいとかいうのは綺麗事で、好きな人にはいつでも隣にいて欲しいものである。私はあの時、自分を殺して何も出来ないどころか手放すような真似をしてしまったことをひどく後悔した。


そんなことを考えながら帰る家路は、見慣れた夕暮れ空に比べて暗く感じた。

情けってホントに返ってくるんですかね?

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