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なんでもアリな闇鍋ゲームで詰んでる俺は脇役兼死体役イコール被害者な件(仮)  作者: 来樹
1章 ようこそ、聖アールグレイ学園へ!
8/30

6

伏字のアウトかセーフを見極めるのが難しい。セーフだと思いたいけど後から伏字修正するかもです。

 貴女のカケラは半分なの。

 だから、忘れないで。

 祈りの祝詞。

 幸せであれと、願った言の葉を込めたの。

 それを半分だと、そうしてしまった事も、全て。

 どうか、生涯赦さないで。


 「知るか」




 そんな、魂を縛るような、呪い。


 「俺」には、関係ない。













 「……な。仮名(かりな)。おーい、仮名(かりな)四葉(よつば)!」


 「……はい」

 呼ばれた声に、ハッと我に返る。

 俺の名前ではないから、反応が遅れたという事もあるが、「私」の名前ではあるのだから、反応が遅れるのは拙い。まあ、考え事していたからどちらの名前を呼ばれたところで反応は鈍かっただろうけれど。

 今は絶賛HR中。そして、俺を呼んだのは、担任の上杉誠也。乙女ゲーム『聖アールグレイ学園』におけるヒロインちゃんの攻略対象だ。おめー、教師だろとかロリコン死ねとか色々思うが割愛。

 ……ところで、俺は何でHR中に担任から名指しされてんだ?昨日の入学式でぶっ倒れて初めてクラスに入って、俺の席が未来のオレ様生徒会長の皇煌夜の隣だと知ってから絶望のあまり意識が飛んでいたから、実はロリコン野郎……えーと上杉誠也が入室してHRを始めてもスルーしていたから、話題の流れが分からん。

 ロリコン……えーと上杉誠也、うーん、ぶっちゃけ親しい奴でもないから名前覚えときたくないし無駄に記憶力使いたくないから、名前呼びしたくねーんだよな。もうロリコン教師とかで良くね?幾ら乙女ゲームの設定上仕方ないにしても、女子高校生に手を出すような聖職者(この学校一応ミッション系だから、二重の意味でな!)なんて、変態かロリコン野郎で十分だろう。ついでに、俺のお隣様の未来のオレ様生徒会長(笑)である皇煌夜も同列だ。こっちは同い年だしセーフだけど、彼奴(きゃつ)()が可愛いヒロインときゃっきゃうふふとかしてるチートなイケメンである時点で、俺の敵だ。イケメン()ぜろ。

 こっちは、うーん、オレ様生徒会長でいいか?性格と役職名で大体どんな奴か分かるし「未来の」まで一々付けてたら長い。

 「もしかして、まだ具合が悪いのか?保健室行くか、仮名?」

 「大丈夫です」

 今のは単に、話を聴いてなかっただけだし。

 顔と態度は爽やかイケメンのロリコン教師が、殊更心配そうな顔で、昨日の失態をわざわざ教室の真ん前で暴露してくれてやがるが、堪えろ俺。

 つーか、お前がンなコト言いやがるから、クラスメイト達の視線が俺に集まってるんだが。マジで何してくれてんだおめー。マジで空気読め、KY!

 この世界が乙女ゲームであると気付いてしまった以上の予想外な死亡フラグ持ちに転生してしまった事に、機嫌がMAXで悪かった事もあって、いつもよりも「イケメン憎し」になっている。つか、乙女ゲームの下らない巻き込まれ系死亡フラグ持ちだから、教室内で悪目立ちなんて、御免こうむる。

 「そうか?無理そうなら、いつでも言えよ。……っと、そうだ。仮名、昨日お前だけ自己紹介してなかったから、今してくれないか?」

 「………はい」

 ちっ。

 自己紹介。

 昨日の悪夢の入学式でぶっ倒れた俺は、そのまま保健室送りになっていたから、勿論自己紹介などしていない。しかも、俺は外部生。周りは持ち上がり組の内部生が大多数だ。当然、自己紹介は必須だろう。

 忘れたままで十分だったのに。これでは益々目立つではないか。

 苛々するが、仕方ない。

 「仮名四葉です。一年間宜しくお願いします」

 席を立ち、周りに視線を走らせながら、特定の人間と目を合わせないように注意しつつ、完結に自己紹介する。

敢えて、自分が外部生であるとは言わず、また趣味嗜好の類も言わずにいっそ無愛想に済ませる。

 この世界が乙女ゲームと言う巫山戯けた遊戯の盤上なら、ゲームメーカーの駒であるクラスメイト達と容易に親しくなりたいとは思わない。

 何せ、俺の―――「私」の人生すら、「私」のものではないのだから。

 巫山戯んじゃねえ、踊らされてたまるかよ。








To be continued…?





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