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第2話 アルバイト

『選択肢:木の棒、細長い石、木の枝、丸い石

>』


 大体こんなのが武器なわけ!?


 木とか石とか、そこら辺に落ちてるでしょ!


 一体どんな整備が必要なんだっつーの!



 …はあはあ。



 あの神、まじ無能だわ。私の純情を返せ!



☆★☆★☆★☆★☆★



 ふぅ…。とりあえず木の枝を買った。どうやら木の枝と丸い石が魔法使い用の武器らしく、魔力が上がるみたい。ちなみに丸い石の方が強いんだとか。初期の所持金の関係で、弱い方の購入である。防具も買っておきたいしね。


 防具屋、酒場と行った後、私は外に出る。



『フィールド


 始まりの街


その他

 初心者の森…適正LV5〜15

 始まりの草原…適正LV10〜30

 狼の洞窟…適正LV15〜25


選択肢:始まりの街、初心者の森、始まりの草原、狼の洞窟、メニューを開く

>』


 ふむ。さっき、酒場に行ったら教えてくれたんだよね。どうも魔王が現れて急に魔物が強くなったとかで、冒険者が激減してるんだとか。特にこれから冒険者を始めようって言う人は皆無みたい。


 このフィールドの情報を見る限りだと、確かに適正LV1のところがないもんね。魔王が現れて強くなった、という設定を反映してるんだろうなぁ。


 一応メニューを開いて、何ができるか確認しておこうかな?


『>メニューを開く


選択肢:ステータス、装備、所持アイテム、フィールドへ戻る』


 ふむふむ。一つずつ見てゆこう。


『>ステータス


リアヤ

職業 魔法使いの卵

LV1

HP 5/5

MP 10/10

力 1

守り 3

賢さ 5

精神 5

技術 1

運 1


選択肢:スキル、フィールドへ戻る』


 やっぱLV1だよね。スキルを選択したら、まだ何も覚えてなかったよ…。次は装備かな。


『>装備


右手…なし

左手…なし


頭…なし

体…なし

腕…なし

腰…なし

足…なし

装飾品…なし


選択肢:装備変更、詳細を表示、フィールドへ戻る』


 何もなし、ね。まさか裸じゃないよね?…まぁ見れないしどうでもいいや。とりあえず買った木の枝と布の服を装備しとこっと。



 さてと、街に戻ろうかな。酒場にアルバイトって選択肢があったんだよね。適正以上の魔物に挑むわけだし、お金貯めて準備万端にしないと!



凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸



「いらっしゃいませー!」


「お、今日も可愛いねぇ。エール一つよろしく!」


「はーい! マスター!エール1つお願いしまーす!」


 私は今日も元気よく酒場で働いている。


 この酒場の客は地元の人たちばかりである。なので、たった数日しか働いてないが既に多くの客と顔馴染みである。


「そういえば嬢ちゃん、冒険者なんだったな。」


「これから、ですけどね…。今はそのための支度金を稼いでるんです。」


「そうかぁ…。最近めっきり冒険者が減っちまってよ。魔物の被害も結構多いんだ。嬢ちゃんみたいな新しい冒険者は、街の希望ってもんよ。」


「「そうだそうだ!」」


 客たちが私への期待を語る。魔王が現れたこんな世の中だからこそ、街を守れる力を持つ冒険者が必要とされているのだ。


「だが、嬢ちゃんみたいな若い子が一人、冒険者になるだなんて心配で仕方がねぇぜ。…すくねぇが持っていってくれ。これで嬢ちゃんが少しでも安全に戦えるってんなら安いもんだからな。」


「「俺からも受け取ってくれ!」」


「みんな…!」


 客たちが俺も俺もと、わずかながらチップをくれる。一つ一つは少なくとも、集まれば大金である。


「…俺からはこの杖をやろう。」


 カウンター席の端に座っていた、年季の入った濃い緑色のローブを羽織った白髪の老人が、大木から削り出したような大きな杖を机に置いた。


「この杖は伝説の樹木から削り出されたと言われる勇者の杖だ。俺も昔はそこそこ名の知れた冒険者でな。それでも、最後までこの杖の真の力を引き出すことは出来なかった。…こんな世界で真っ直ぐな想いを持ち、冒険者になろうとするお嬢ちゃんなら、もしかしたら…いや、そうでなくても十分にこの杖は強い。俺にはもう必要ないものだ。是非使ってくれ。」


 そう言って、老人は大きな杖を私の方へ差し出す。


「そんな、こんな高価なもの受け取れません。」


「そう言わないでくれ。お嬢ちゃんが命を落としたなんて知らせは聞きたくないんだ。」


「そうだぜ、嬢ちゃん。俺たちのためにも受け取ってくれ。」


「…分かりました。私、絶対にこの杖の名前に負けないくらい強くなってみせます!」


「そりゃあ勇者になるってことかぁ?わっはっは!…嬢ちゃんならきっとなれるぜ!それだけの想いを持っているんだからな!」


「「頑張れ!俺たちはいつでもお嬢ちゃんの味方だぜ!」」


 私が杖を受け取り、宣言すると、客たちが私に暖かい声援を送ってくれる。



 皆の期待に応えるためにも、強くならなくちゃ…!




 そう思っていると、私は突然その場に倒れ込んでしまった。



凹凸凹凸凹凸凹凸凹凸



『リアヤは倒れた。


THE END』



 え?


 なに?なんかやっちゃった?アルバイトしてただけだよね?


 死んだの?こんな世界で死んじゃうの、私…。



『どんまーいっ☆ いやー、3日も食事しないとか餓死するのも当然じゃん!


 そんな残念な世界の住人第一号さんには、もう一度この世界でやり直す権利を与えちゃうよっ☆


 いや、っていうか何度でもやり直しちゃって!なんたってまだ一人しかいないんだもんっ ,>-<,』



 餓死…ね。あんな世界でも食べる必要あったんだ。



『そうだよー☆


 こんな世界でも人なんだから!ちゃんと食事しないとっ!体壊しちゃうぞ♪』



 あれ?なんか会話できてる?



『ついさっき、ようやくチャット機能作れたんだよー。ほんっと、世界作るって難しいんだからね!』



 そっかー。大変なんだねー、神様。とりあえずさ。



 な・ぐ・ら・せ・ろおおおおっ!



『うわっーーーー?!』




機種依存文字(三角)を(>)に第0話から修正しました。

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