第0話 プロローグ
道に迷った。
私、21歳OLやってます。短大卒で入社して、初めての長期休暇でした。友達と山登り…に行くはずが、突然仕事が入ったとかで虚しく一人で山登りしてました。別に山登りが趣味なわけじゃないですよ?
…だからなのか、途中で道に迷ってしまい、途方に暮れる私。雨も降ってきたし。
GPSのナビがあるし余裕でしょって思ってたら、全然ナビ通りに進めない。意味わかんない。
こういう時は救助を待つべきだと思って、どこか雨避けができるところを探していた、そんな時だった。急に足を踏み外してしまい、視界が暗転。ガサガサっと落ちるような感覚がしたのも一瞬だけで、すぐに何も感覚がなくなった。
静かに目を開ける。
目の前は真っ白だった。一体ここは…。
ふと、真っ白な景色に文字が浮かび上がる。
『異世界へようこそ!本当は夢いっぱいの幻想的な世界を作りたかったんだけど、これがまた難しくて!と、いうわけで!テキストだけの世界しか作れませんでした!てへぺろ☆ 神様よりっ♪』
とりあえずこの神様をぶん殴りたいと思った。
☆★☆★☆★☆★☆★
うーむ。この文字を読む限りだと、どうやら異世界に来てしまったのかな。
そしてこの世界の神様は無能で、まともに世界も作れなかった、と。
生きているだけましだと思えばいいのかね?
ていうか、文字だけの世界で私はどうやって生きているんだ。それに、どうやって生きていけばいいんだ…。
文字をじっと睨みつけていると、サウンドノベルみたいに文字が切り替わった。
『職業を選択してください。
選択肢:見習い戦士、魔法使いの卵
>』
なんじゃこりゃ。
選択って、手も足もないのにどうやって選択しろというのか。そもそもこの選択肢って、弟がやっていたRPGゲームみたい。…この世界はそういう方向を目指してたのかな。
まー、やるなら魔法使いかな。だって、この後モンスターとか出てくるわけでしょ?あんなのを間近に見ながら戦うとかないわー。ここは文字だけの世界だけど。
とか、そんなことを考えていたら、文字が追加された。
『>魔法使い』
…なるほど。念じれば入力できるのか。えーと、次は決定キーかな。
私が決定キーを押すようなイメージでもって、念じる。
『無効な入力がされました。
職業を選択してください。
選択肢:見習い戦士、魔法使いの卵
>』
…ちょっと神様出てきてくれませんかねぇ?
ゲーム作るとしたら、こんな程度が限界だろうな…っていうお話です。
いやほら、イラスト描いたり、音楽作ったり、シナリオ書いたりって意外と難しいのです。それらを除くと、こんな風になっちゃうんだろうなぁと。
続いたとしても、そんなに長くはならない気がします。