生徒会室から生徒会準備室
お久しぶりです(2年ぶり1度目)。
色々あってかけませんでした!!!ごめんなさい!!!また頑張ります!!!(説得力ZERO
俺は今生徒会準備室にあった麻雀卓に座っている。これから生まれて初めての麻雀をうつのである。
部屋に入ってきた姫守は首席のクラスメイトと見知らぬ幼女に詰め寄られるおかしな男を目にしたわけで。
「あー、えーっと勘違いだったみたいです失礼します。」
『ちょっと待て』『ちょっと待って!?』『ちょっと待つのです!』
三人の声が揃ってしまった。
「はあ、この男に麻雀部に入ってほしくてお願いしていたと。」
「そうそう!いやあ部員は多い方がいいでしょ?それに麻雀に興味があるって言ってたしね!」
「そうなのです。決してやましいなにかがあったわけではないのです。」
「やましいなにかってなんだよ…」
三人の必死の弁明に姫守はなんとか納得してくれたようだった。そもそも学校でそんな変なことをするわけもなく。唯さんには思わずタメ口でツッコんでしまったが気にしていない風だった。
「早とちりしてしまってすみませんでした。私は麻雀部に入りたくて来ました、姫守苺と言います。よろしくお願いします。」
「!!」
あ、橘姉妹が目に見えて嬉しそうになった。二人は姫守の手を片方ずつ取ってニコニコ。今にも小躍りしそうである。よかった。俺の代わりに入ってくれる人がいるということは俺は必要ないな?
「姫守は麻雀部に入るんだな!頑張ってくれ!じゃあ俺はこの辺で「やったです!これで4人になったです!」「これで大会に出れるね唯姉!」帰ろうかな、なーんて…」
「ん?葵クンなにか言ったー?」
「なにか言ったです?」
「なんにも言ってないです」
機先を制されてしまった。めっちゃいい笑顔だしこのままでは俺が悪い人みたいじゃないか。
「分かりましたよ、俺も入ります、麻雀部」
「お!やっと決断してくれたんだね葵クン。まあ入らないって言っても入るまでしつこくまとわりつくつもりだったけどね?」
「どんだけ俺のこと好きやねん」
思わず関西弁になってしまった。生まれは秋田なので一切馴染みがない言語なんだがツッコミといえば、というやつだ。
「あはは、私にとって葵クンは大事な人なんだからそれくらいするよ!」
「なんかルビおかしくね?」
なぜだろう、楓から逃げられる気がしない。無意識で震えていると、手を握られて少し照れ、俺が麻雀部に入ると言ってからなぜか睨みつけてきていた姫守が口を開いた。
「そこの変な挨拶が趣味の男も麻雀部入るんですか?変態は麻雀出来るんですか?」
「辛辣すぎない?」
「…」
無視された。
「いやいや葵クンは確かに変な挨拶をする趣味の持ち主かもしれないけど、麻雀に興味があるって話だし!それに今はまだ出来なくても教えてあげるからできるようになるよ!」
「そんな趣味ないんだけど、というか変態は否定しないんですかねー?」
「片倉君は確かにロリコン趣味の変態かもしれないけどそれでもいなきゃ困る存在なのです。なにか確執があったとしてもとりあえず水に流して欲しいのです。」
「片桐葵、一般人です…」
思わず涙がこみ上げてきた。これがイジメですね、分かります。いやホントになんでこんなボロくそ言われなきゃならんのだ。とそこで姫守からの助け舟?
「そ、そうなんですか、分かりました…でも彼辛そうなんでそこら辺にしてあげてください笑笑」
「意外と優しいところあるんだなって一瞬でも思った俺が間違っていたよ」
笑いを堪えてやがる。女三人よれば姦しい、と言うが恐ろしいの間違いだろう。いや本当に。
「冗談なのです。さすがに新入生を泣かせるわけにはいかないのでさっきの片桐君の非礼とおあいこということにするです。」
「なんか葵クンってからかい甲斐があるんだよね!一応反省はしてるよ、ごめんね?」
「まあ変態は言いすぎたわ、悪かったわね」
「…」
恐ろしい女性三人は一応の謝罪をしてきたが俺は大丈夫の一言すら言えない。傷心中なのだ。
俺がプルプルしていると楓がなにか差し出してきた。
「これあげるから元気だして、ね?」
思わず顔を上げると、そこにはなんと「入部届けじゃねえか!」入部届けがあったとさ。
ツッコんだら元気が出たと思われたのかそのままスルーされ、俺と楓、姫守の三人で入部届けを書いて提出した。相手が生徒会長なので即承認、即入部、即麻雀。
「じゃあさっそく隣の生徒会準備室に行くのです。麻雀うつのです!」
「いやいやいや待ってくださいよ、今日入学式だったわけですしなにか仕事があるのでは?ほかの生徒会役員さんも来ると思いますし」
さすがにすぐにうつとは思っていなかったのか楓と姫守も少し驚いている。
「入学式だったからこそ仕事はないのです。今みたいに部活への入部申請とかがあれば別ですがないのです。あとほかの役員も来ないのです。」
「他の役員はいないんだよね?」
そこは事前に聞いていたのか楓が問う。
「え、いないんですか?副会長とか書記とか誰も?」
「いないです。去年生徒会メンバーが決まった時に会長命令でたくさん麻雀うたせて部に入れようとしたらみんな生徒会を辞めてしまったのです。おかしいのです…」
「元凶であることに気づいていない!」
「そういうことならいいんじゃないですか?それぞれの雀力も把握できますし」
「うんうん、そういうことなら善は急げだね!」
やる気満々だな。やるしかないか...いや待てよ、ここで俺がド下手くそであり、伸び代もないと判断されればポイされるのでは?ルールもわからんし、きっとそうなるに違いない。よしよし、それでいこう。
「分かりました、やりましょう」
「そうこなくっちゃです。では行くのです。やるのです。三人ともトバすです。」
「ふんふん、楽しみだなあ!ボク張り切っちゃうよ!」
「片桐のことボッコボコにしてあげる。」
あの、僕ルールすら知らないんですけど。とはとても言えない空気になってしまった。辞めておくべきだったかもしれない。帰りたい。とても帰りたい。
そうして笑顔の三人と虚ろな目をした一人が、麻雀卓に座ったのだった。
変なところあったら教えてくださいませ\\\\(۶•̀ᴗ•́)۶////
あと厚かましいんですけど評価とかあると更新速度格段にあがる(かもしれない)。
注:トバすとは。
相手の三人の点数を0点以下にすること。最初の持ち点は一人25000点。よっぽど強くないとできない。